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「AIを世界の隅々まで届ける」前人未到の挑戦に本気で取り組むエンジニアが語る、開発環境とマインドセットとは

「世界中の人・物にAIを届け 豊かな未来社会に貢献する」の実現を目指すAI inside。その壮大なミッションのもとに活動する、エンジニアのVP3名による座談会を実施しました。彼らの思い描く未来社会に加え、その実現のための開発環境からマインドセットまで、AI inside のエンジニアが日々考えていることを本音で語ります。

Mitani: VP of SRE Unit(写真左)
東京工業大学を卒業後、システム開発会社にてミャンマーの開発拠点への赴任や機械学習を用いたシステム開発を経験。2020年11月、AI inside に入社し、現在はインフラ周りの開発・運用を率いる。

Iwasaki:VP of Learning Center Unit(写真中央)
大学院で画像認識やパターン認識を研究し、卒業後は組み込みエンジニアとして従事。2018年にAI inside にリサーチャーとして入社し、その後アプリケーション開発へ。AI-OCRモデルの開発や「DX Suite」の推論基盤の開発を担当し、現在は「Learning Center」の開発をリードする。

Tanaka:VP of AI on Things Unit(写真右)
独立系SI企業にて、システムエンジニアという名の何でも屋として、アプリ開発やインフラ・セキュリティなども幅広く経験する。2020年2月より業務委託としてAI inside に参画。2022年7月に入社し、現在はエッジデバイス「AI inside Cube」と周辺のインフラ技術に関わる。

※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです

AIを”届ける”。イメージは『攻殻機動隊』の世界!?

Mitani

ー各ユニットの取り組みを教えてください。

Tanaka:「世界中の人・物にAIを届け豊かな未来社会に貢献する」というAI inside のミッションのもとで、私のユニットでは特に”届ける”にフォーカスして、どこでも、どんなお客様でもAIを使える環境を提供すべく、技術的に何ができるかを考えています。今のデジタルプラットフォームはあくまでインターネット上にありますが、インターネットに接続できないところにもAIを届けたいです。

Iwasaki:自分のユニットはAIを“作る”ところで、ノーコードでAIの開発・運用ができる「Learning Center」を開発しています。AIは作って終わりではないので、その後のデータの手入れや業務フローにしっかり乗るような運用まで、専門家じゃなくても簡単にできるツールを目指しています。AIを世界の隅々まで届けるためにも、だれでもAIを作って使える「AIの民主化」は不可欠です。

Mitani:僕のユニットも“届ける”に注力しています。目先では「DX Suite」や「Learning Center」を安定稼働させ、お客様が満足してご利用いただけるようなインフラ整備を行っています。未来に向けては、仮想分散型AIネットワーク「Leapnet」の構築に取り組んでいます。

Tanaka:「Leapnet」の構築は簡単じゃないですよね。

Mitani:僕が勝手にイメージしているのは、アニメ『攻殻機動隊』の電脳空間です。今はインターネット上でやり取りできるのは情報だけですが、その情報に自分自身も乗っかれる、あるいは溶け込めるみたいな感覚。そんな世界観の中で、人間の思考を補助するものとしてAIを届けることができたらいいなと。

ーデジタルツインがイメージに近いでしょうか。社内でもよく話題に上がります。

Tanaka:デジタルツインは未来予測するためにある、というのが自分の解釈です。例えば、事故を本当に起こすわけには行かないので、デジタルで再現して、事故が起きても大丈夫な環境整備に役立てるみたいな。

Iwasaki:自分もそう思います。「現実空間を計算可能にする」なんてかっこいい言い換えを思いついていますが(笑)、コンピュータで認識できるように世界を電子化すれば、AIも学習しやすくなるので、人じゃなくてもできることが増えるのではないでしょうか。AI inside が取り組んでいるアナログデータのデジタルデータ化も、ここに繋がってくるはずです。

自由な発想と闊達な議論を生む、AI inside の開発環境

Iwasaki

ーどのような開発環境で、その選定はどのように進めていますか。

Mitani:それぞれ技術レイヤーは異なりますけど、kubernetes(クバネティス)はどのユニットでも横断的に使いますよね。仮想データセンターの基盤技術にも使おうと思っています。一方で、特殊性は使うツールで出すものではない気がしています。今はいろんなSaaSサービスがあって、誰でも簡単に利用できるようになっているので、どんなツールを使うかよりも選定の自由度やツール活用に至るスピード感が大事です。

Iwasaki:自分はメンバーの「こういうツールを使いたい」といった提案は基本OK出してます(笑)。ユニット制の組織で権限移譲がしっかりされているので、提案は通りやすい環境ではないでしょうか。

Mitani:そうですね。僕のモチベーションは「自分が楽をする」なので、開発現場でよく使われているサービスもガンガン使いますし、人間の非効率なオペレーションを排除できるツールであれば優先的に導入してます。

Tanaka:ユニット制による垂直統合型の組織なので、縦割り感が無いことは企業文化的な強みだと感じています。意思決定のスピードも速く、且つ合意をもって進められる納得感もあります。一方で、「今までの運用が本当に楽になるのか」もセットの提案でないといけませんよね。提案にも“型”があるので、それをうまく吸収して物事の進め方に活かしてもらえれば。

Mitani:申請など面倒なプロセスは少ないですが、ロジカルな説明は必須ですね。

ー社内外のコミュニケーションはいかがですか。

Iwasaki:基本リモートワークで、エンジニア同志の会話は「Discord」を活用していますよね。プロダクトごとの部屋があり、そこにみんなが待機してるので、いつでもボイスチャットできます。

Mitani:場合によってはリアルより話しやすい気がします(笑)。

Iwasaki:社内では営業からお客様の要望や状況を聞くことも多いですが、エンジニアがお客様の声を直接聞きに行くこともあります。あとはAI ReserchのメンバーやUXチームとよく会話します。

AI inside の強みは「AIをプロダクト化する力」

ーAI inside の強みはどこにあると思いますか、

Tanaka:やはり、AIをプロダクト化する力が1番の強みではないでしょうか。例えば、「DX Suite」というサービスとして、だれでも業務で使えるようにしっかり作り上げているところとか。

Iwasaki:高品質なデータを集められていることも強みだと思います。AIに学習させる際、同じようなデータばかり読ませてもそれしか認識できないし、外れ値ばかり読んでもボリュームゾーンが認識できなくなってしまいます。バランスが大事です。

ー高品質なデータを収集できている理由はなんですか。

Iwasaki:「好循環サイクル」がしっかり回っているからだと思っています。サイクルの起点がアプリケーションであることがキモです。例えば、BPO会社が申込書などをデータ化するために必要な業務フローがあって、データチェックなどの前後工程も理解した上で、「DX Suite」はその業務フローに対応できるようにアプリケーション化できています。自分が入社した18年頃の「DX Suite」は、読取精度は他社と大きく差がありませんでした。でも、世の中にあるAI-OCRはAPIだけのものが多かったなかで、BPO業務が回るようなアプリケーションを作ったことで、利用ユーザが増え、実ビジネスデータが集まり、読取精度がどんどん向上しました。

Mitani:サービス利用者の業務を深く知ってプロダクトに落とし込むことが大事で、AI inside はそこをしっかりやってきたので、AIをプロダクト化することに成功したってことですよね。実際に多くのユーザ様に使っていただけるのはエンジニアとしても嬉しいです。

Iwasaki:実は、これは入社した理由のひとつでもあるんです。入社前に「DX Suite」を実際に見せてもらい、純粋に凄いなと思いました。AIを研究していた大学時代では、黒いターミナル画面に数字が出るみたいな世界観が当たり前と思っていたのに、AI inside では当時から、AIをかっこいいアプリケーションに仕立てて社会実装していて、衝撃を受けました。

AI inside の好循環サイクル

前人未到に本気で挑む。それがAI inside エンジニア

Tanaka

ー今取り掛かっている難題を教えてください。

Tanaka:「Leapnet」もそうですが、全く新しいことをやろうとしているので、前例が無い点に難しさを感じています。インターネットに依存しきっている社会の中で、自分達がやりたいことは、そこからあえて離れていくような取り組みだからです。それが面白さでもあるのですが(笑)。

Mitani:インターネットが一般化して、5Gも普及してきている昨今において、敢えてインターネット以外のところにチャレンジしたいという人は稀かもしれないですね(笑)。

Tanaka:一方で、令和においてもインターネットに接続できない環境が現実にあるんですよね。そこを無視したら「世界中の人・モノにAIを届ける」が片手落ちになってしまいます。何より、インターネット前提で考えると、宇宙船に乗らないんですよね。

Mitani:宇宙ステーションや月面探査機などで自律的に動けるAIを開発しようと思ったら、オフラインでも動くものも想定しておかないといけないですもんね。

Tanaka:世の中の前提となっている暗黙知的な常識を疑い続けるのが、エンジニアとしてあるべき姿ではないかと、改めて感じました。車輪の再発明をするのではなく、新しい何かを自分の手で作りたいという思いでいます。

Mitani:すごくわかります。

Iwasaki:ですね、自分も同じです。

ーどんな人がAI inside のエンジニアに向いていると思いますか。

Iwasaki:殻にこもって与えられたことを与えられたまま取り組むのではなく、それが会社のビジョンにどう繋がるか、社会にどう役立つかなど、自分のタスクの先を想像できることが大事ですよね。裁量が大きいので、会社の目指す方向と自分がやりたいことのベクトルが合えば、何でも実現できる環境だと感じています。

Mitani:会社として「できていること」より「やりたいこと」の方がまだ多いはずなので、自分で立ち上げる気概がある人は、いろんな経験が積めますね。

Tanaka:他者を受け入れられるかも重要だと思います。みんなで決めていくプロセスを楽しめるような人。

Iwasaki:良い意味での妥協が必要かもしれませんね。考え過ぎたら一生考えられるので(笑)。

Mitani:正解が見えないことに挑戦しているからこそ、いろんな意見が出ますからね。議論して着地できるかが重要ですね。世界一とか宇宙とか、スケールの大きなことを本気で考えている人だと僕もワクワクします。

Tanaka:あとは、渡久地さんの考えに触れてワクワクできる人ですかね(笑)。

CEO渡久地が見据える未来社会とAI inside の取り組みに関する記事も、あわせてご覧ください。

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