Slackでメンバーもコメント、CEOが質問に答えた「AI inside Talk」ほぼ公開【後編】
前編に続き、CEOがメンバーの質問になんでも答えた社内ウェビナー「AI inside Talk」の様子をお届けします。後編は会社の方向性、福利厚生や働き方についてです。ウェビナー中はSlackでメンバーがコメントし合い、コミュニケーションの場にもなりました。
開発・研究情報の共有を受けたい
先日、当社の保有特許と今後についての説明会を実施したので、その時の動画をぜひご覧ください。説明会のあと、開発のみなさんから「思ったよりだいぶ前から特許をとっていたのが意外だった」とコメントをもらいました。だいたい製品化するだいぶ前に特許はとっています。これからやろうとしていることも、既に特許はとっています。研究の進捗はAIリサーチのユニットから聞いたほうが良いので別の機会でお願いしましょう。
会社の戦略や進捗、直面している課題は?
会社の戦略は決算説明資料をぜひ見てみてください。ビジネスの根幹となる好循環サイクルとプラットフォーム戦略のページが全てを物語っているはずです。今回はこれをもっと具体的に説明しますね。
この好循環サイクルは、優れたユーザ体験・UXから始まっています。このUXが優れているということが全ての起源だと思います。見た目のデザインだけではなくて、バックエンド含めたプロダクトそのもの、セールスやカスタマーサクセス、請求を担当する管理もそうですが、お客様とのあらゆる接点の全てが、ユーザ体験ですよね。
UXが優れていれば多くのユーザから当社の製品が選ばれるはず。そうすると多くのデータが集まるので、それを学習することでAIがどんどん賢くなる。それがさらに良いユーザ体験をもたらす、という循環が①〜④です。この循環がうまく回り続けると、⑤継続的成長が促されます。大事なのはこのあとに、我々が⑥低コスト構造を作っているという点です。これは、当社の人件費を削るということではないです。当社の平均給与は年々上がっていますし、これからも上げていきたいと思っています。
では、何が低コスト構造かいうと、あらゆる面でみなさんが効率化してくれているおかげで、つまり企業努力によって実現出来てきているんです。それによって、利益をあげているわけですが、我々だけがいい思いをするのではなくて、⑦低価格化することでお客様にもより良い体験をしてもらいたい。そうなるとユーザ体験がますます良くなって、さらに安く提供できるようになります。グローバルでNo.1になりたいんだから、こうやって競争に勝っていかないといけないですよね。
そして、実際にどんなビジネスをやっていくかを示しているのが、プラットフォーム戦略です。
当社のビジョンは、世の中のあらゆるところにAIを溶け込ませていく「AI inside X」です。そうすることで人類に貢献できるはずです。我々はこのビジョンを実現し、世界一の会社になっていきます。そのためには、我々がプラットフォーマーになっていくしかないんです。
歴史的にみても、世界一の会社ってプラットフォーマーしかいません。我々がひとつずつAIサービスを作って売って…というようなSaaSビジネスをやっていても、どこかで限界点があり、世界一の会社になることは難しいと思います。
AI inside がプラットフォーマーになっていく、世界一の会社になっていく、そのためにやっていくことは3つあります。
まず、AIを動かすためのインフラの提供です。今は自社利用のためにデータセンタを構えていますが、それをAWSみたいにお客様に提供するということも、そう遠くない未来です。GPU・AIの部分で、いかに安く・早く・簡単に提供できるか。「AI inside Cube」も含めて、エッジコンピューティングとクラウドコンピューティングの境目なく、このインフラをどんどん広げて、とにかく安くしていきます。
次に、誰でも簡単にAIを作ることができるツール「AI inside Learning Center」の提供です。自分たちでAIを作るのではなく「Learning Center」によって、世の中のクリエイティビティを持った人々にAIを作ってもらう。人って「世界をより良くしよう」という意志を持っていると思うんです。そういった、世界をより良くしようとしている人々の意志やクリエイティビティを我々はサポートしていきます。
この「Learning Center」を安く・広く、たくさんの人に使ってもらうためには、汎用的な学習モデルが必要ですし、誰もがすぐ高精度のAIモデルを作れるようにすることは、とても難しいことですよね。そこは我々もすごく苦労するところだと思います。
でも、これが実現できれば、我々がAIを作って提供しなくても、世の中でAIがどんどん作られて増えていきます。「Learning Center」でAIを作るという概念を広めていく啓蒙活動は、来期注力していきたいところですね。
インフラも「Learning Center」も安く提供していきますが、我々も資金がないと成長できないので、どこかで収益源を確保しなくてはいけません。
それがどこかというと、マーケットプレイスです。たくさんの作る人・使う人、この両サイドのステークホルダーがいれば、それをうまくマッチングさせることによって、AppStoreのような形でAIアプリケーションを流通させ、売り上げがあったときにレベニューシェアを頂く。それを我々の一番の収益源にしていきます。早くマーケットプレイスを作って、そうなっていきたいですね。そのためには、良いAIを作れる・使える環境の整備が重要です。
この未来が描けるのは「DX Suite」がちゃんと収益源になってきているからです。ただ「DX Suite」も課題や改善点があるので、より強化していかないといけません。
渡久地さんから見たAI inside の良いところは?
いま話したようなことに共感して、難しそうなことに取り組んで、本当に実現していける人たちがAI inside に集まっているんじゃないか、それが良いところではないかなと僕は思います。ここは負けないと思っている人も多いですし、中には変な人もいますが(笑)、いい人に恵まれていますよね。
世界一の会社、何の分野で世界一になるのでしょうか?
もちろんAIの分野で世界一になろうとしています。時価総額で一番を目指していきます。ただ、主戦場はどんどん変わっていくと思います。いまはどの企業も、地球上でビジネスをしていますが、そのうちすぐに宇宙でビジネスをやることになります。そうなっても、AIが活用されることに変わりはないので、AIの分野で圧倒的に一番になっていきたいと思います。
会社全体のガバナンスやセキュリティに対する考え方
世界一の会社になっていく過程で、当然やらないといけないことなので、ガバナンス体制はさらに強化していきます。仕組みを整えていくことは重要ですし、セキュリティについても同じ考え方です。しっかりやっていきたいところなので、もし穴がありそうだと気づいたら、すぐに共有してください。
ボーナスについて
ボーナスは業績が良ければ出ます。業績連動なので、たくさん貰えるようにみんなで頑張りましょう。どんどん賞与額も上げていきたいです。
福利厚生についてどう考えていますか?
福利厚生はもっと充実させたいですよね。Employee Experienceチームが検討してくれていますが、キッチンも欲しいですし、自販機も無料にして欲しいとか要望はいっぱいありますが(笑)
生きていくという意味で、病気になったときのケアが結構大切だと思うので、働けなくなった時に補償を受けられるGLTD保険などをまず導入したり、優先順位つけて整えていっています。Employee Experienceチームの発足やいま動いている活動もその一環ですが、Employee Experienceを高めることはこれからもやっていきます。
全社リモートを継続する予定ですか?
全社リモートは継続していくと思いますが、集まることも大事だと思っています。リモートでも、週に何回か出社はあるかもですが、まだ決まっていません。
それこそ、研究開発もディスカッションの中からイノベーションが生まれることもありますし、セレンディピティのようなこともあるでしょうから、コロナが落ち着いたら集まることも考えたいですね。
収束したらオフィス移転予定ですか?
コロナの状況が分からないこともあって、移転は決まっていないです。考え方としては、出社しなくてもいいけど、来ちゃうくらい楽しいオフィスになるといいなと思っています。
一年以上前から思っている僕の個人的な希望ですが、海辺の倉庫を借りて、敷地内を自転車とかで移動できたらいいなとか(笑)サテライトオフィスも欲しいですよね。
最後に、みなさんのご意見や追加質問をぜひお寄せください!
時間になってしまったので、今日はここまでですが、答えきれなかった質問にも今後答えていきます。今回お伝えした部分でも、もっと話して欲しいということであれば、またお話しますので追加で質問ください。みなさんの意見を聞きたいので、遠慮せずに話してください。みなさんの意見で、考えがコロッと変わることもありますので(笑)
次回の「AI inside Talk」もお楽しみに。
※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです