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"ありえない"と言われたAI事業の創業からグロースまで ハードシングスの乗り越え方【イベントレポート・後編】

2022年4月27日に、「"ありえない"と言われたAI事業の創業からグロースまで ハードシングスの乗り越え方」をテーマにAI inside 主催のトークイベントを開催しました。

冒頭では、渡久地と西川が、それぞれ創業前後の課題やミッション・将来像などをプレゼン形式にてお伝えしました。フェーズごとにどのようなことが課題だったのか、どのような選択をしたのかなど、起業家視点で語りました。今回のnoteでは、視聴者からいただいた質問に答えるトークセッションの内容をレポートします。

スピーカー

※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです

冒頭のプレゼンテーションは本noteでは割愛しておりますが、アーカイブの視聴も可能ですので、本編が気になる方は、ぜひ以下のフォームよりご登録ください。

未来と社会構造を考えて「勝てる戦略」を練る

髙橋:続いての質問は渡久地さん向けですね。「2005年に必ず勝てる戦略が見つかった」と言うのは、どういう戦略だったのかという質問です。

渡久地:当時、グルメサイトの運営をやってました。その時はある会社が一強で、それ以外のサイトはあまりないような時代でした。飲食店を出したら絶対そのサイトに載っけなきゃいけないという感じでした。

そういう会社にどうやって勝つかという話なんですけど。その会社は結局出版社のビジネスモデルで、ウェブ企業のビジネスモデルではなかったんですよ。

グルメサイトの営業マンがいて、飲食店から申し込みをもらって、カメラマンとライターがいる。その飲食店の情報が紙に印刷されるんじゃなくて、ウェブに載っているだけです。当時、私は名古屋にいたのですが、名古屋市内の飲食店は万単位でその競合のサイトに載っていました。

ただ、電車で5分ぐらいの街では、420店舗ぐらいのお店がある中、4軒しか載ってなかったんですよ。そこを420店舗回って、自分のカメラで写真を取って、自分で記事を書いてポータルサイトを作って、クーポンを印刷して自分で配ってました。そういうことをしたら、もう絶対見るじゃないですか。

みんなその有名サイトは知ってるんですが、自分の住んでるエリアのお店は載ってないよね、という状態だったところが、自分の住んでるエリアの飲食店が全部載っていたら絶対使いますよね。

それも全部無料でやっていたので、絶対使ってもらえると思ってて。多くの人が訪れるサイトだったら、広告主が現れるようになります。焼肉屋さんなどが広告を出してくれましたね。

髙橋:それが2005年の時ですね。渡久地さんが本編のプレゼンの一番初めに言っていた「未来がわかれば、勝てる」とお話ししていたところに通じているかと思います。

自分達の強みだけではなくて、社会構造も含めてどういった未来感があるのか。それをちゃんとリアリスティックにロジック持って作るっていうのは当然で、そういった点がAI分野ではグロース・スケールのために必要だと思います。

登壇資料の一部

ユーザ・パートナーと一緒にプロダクトを育ててスケールさせる

髙橋:続いての質問です。製品化までに開発は当然時間がかかりますが、それ以外で一番時間を要したことを教えてください。

渡久地:パートナー構築ですね。販売パートナーもそうですけど、プロダクトを一緒に育ててくれるユーザを探す。あとは、ビジョンを一緒に実現できる人の採用。つまり「関係構築」です。

髙橋:西川さんはどうですか。

西川:プロダクトでエラーが出た時にどうハンドリングするのか、というところです。プロダクトを作っていると、ベータ版でも不具合が多すぎてお客さんに持っていくとエラーを指摘されます。そこをいかに早くクリティカルな課題を押さえて、まぁまぁ使えるよねというところにハンドリングしていくか。

髙橋:パートナーというか一緒にリスクを取って、その製品を育てていってくれる方を集めることが、グロースしていく時にすごく大事で、それが誰なのか、という点が重要だなと思います。

本質的なことを考え抜き、価値を提供する

髙橋:では最後に、グロースさせたいと思いつつ、悩まれてる方もいらっしゃると思うんですけど、そういった方に一言メッセージをお願いします。

渡久地:グロースに悩むっていうのは多分さまざまな状況があるんで、一言で言えないですけど、一言でいうなら「ちゃんと考え抜きましょう」ということに尽きると思います。

ビジョンとか戦略とか戦術っていうのが、本当に信じるに足るくらい、本当に考え抜いた結果なのかっていうのを、自分に問いかけるといいんじゃないかな、と思います。

世の中のセオリーを模倣しただけなんじゃないか、というものも多くあると思うんですが、そうじゃなくて。本質的にちゃんと考えてそうなったのか、自問自答を、ずっとし続ける方がいいんじゃないかなって思いますよね。

髙橋:本質的な課題に向き合うっていうのが一つですね。西川さんはどうですか。

西川:私はやっぱり、「お客さんに価値を出すことが一番重要」ということです。リスクを取って投資をしてくれて、試してくれるお客さんがいたとして、顧客が驚くぐらいの価値が出せるかどうかっていうところに粘着する。そこに命をかけるぐらい。お客さんが「これすごいね」という風に言ってくれたら、うまくいく一つの要素として確信が得られるんじゃないかなと思います。

髙橋:ありがとうございます。話していないことは多々あるんですけども、今日はこちらで以上とさせていただければと思います。皆さん夜分ありがとうございました。

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イベントレポートはここまでとなります。録画のアーカイブの視聴も可能です。質疑応答に加え、渡久地と西川2名のプレゼンも含まれていますので、ぜひご登録ください。


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