ユーザ ファーストで進化し続けた、AI-OCR「DX Suite」のあゆみ
AI inside の主力サービスとして事業成長を牽引してきたAI-OCR「DX Suite」。2017年11月にリリースして以降、アップデートによるユーザーエクスペリエンス(UX)の向上とともに、活用シーンを広げてきました。今回はAI inside の成長とともに歩んできた「DX Suite」の歴史を振り返ります。
そもそも、AI-OCR「DX Suite」って?
AI inside は、誰もがAIを簡単に作れて使えるためのプラットフォームを提供しています。代表的なサービスとして、プログラミングの知識がなくても高精度なAIを自分で作れる「Learning Center」や、セキュアな環境でAIが動かせるエッジコンピュータ「AI inside Cube」などがあります。
その中で当社サービスで最もユーザ数が多いのが、AI-OCR「DX Suite」です。
「DX Suite」はPDF・FAX・撮影した写真など、あらゆる形式の帳票の活字・手書き文字を読み取り、高精度でデジタルデータ化することができます。また大量にある帳票を高速で仕分ける機能や、請求書や領収書など発行する企業によってフォーマットが異なる非定型帳票も、AIが自動で読取項目を判断して抽出する機能などが搭載されています。
AI-OCR「DX Suite」は、その読取精度の高さとどなたでも使いやすい操作性の高さから銀行や通信、地方自治体など幅広い業界でご活用いただいており、AI-OCR市場シェアNo.1※を獲得しています。
※株式会社ミック経済研究所2020年2月発刊「AI OCRで拡大する OCRソリューション市場動向2020年度版」AI OCRソリューションベンダーの売上・シェア 2019年度見込(クラウド)
読取精度やスピード向上の裏にユーザの支え
今でこそ、高精度な読取や多くの機能が搭載されていますが、2017年11月のリリース当初はまだまだできることが限られていました。
「DX Suite」ができるまでの苦労話や創業当時の様子はこちらのnoteをぜひご覧ください。
「DX Suite」を提供し始めた頃は、今に比べて読み取れる項目や帳票の種類も少なく、葉書などの定型の申込書やマークシートの読取に利用されることが多くありました。また当時は住所などの横に長い文章や複数行の読取が苦手で、早期に解決する必要がありました。そこでアーキテクチャを全面的に見直し、リリースから半年後には読取精度や処理スピードを飛躍的に向上させることができました。
ここに辿り着くまでには、開発の努力はもちろんですが、まだまだ始まったばかりのサービスを利用してくださったユーザ様のお力添えが大きく、今でも変わらず、ユーザ様のご利用と声がUXの向上へと繋がっています。
現在では複数行はもちろん、背景に模様が入っている帳票や訂正印の読み飛ばしが必要な文章なども読み取れるようになりました。
「ユーザファースト」を起点に、アップデートさせUX向上
AI inside のRules of Innovation(行動姿勢)の一つに、「ユーザファースト」があります。ユーザ様の声を元に、より快適に、より利便性高くご利用いただけるよう、次々と機能を開発してきました。
その背景には、実際の業務に活用できるサービスでなければならないという、強い想いが込められています。綺麗にスキャンされた帳票や丁寧に書かれた文字であるほど、読取精度は高まりますが、実際の業務の中では「読み取りやすい」帳票ばかりではありません。「DX Suite」は、傾いた帳票は自動補正して読み取り、二重線で打ち消された書き損じを飛ばして読み取るなど、実際の業務シーンに根ざして開発・機能追加を進めています。
非定型帳票や多言語対応、RPA連携と活用シーンがますます拡大
リリースから1年半後には、ユーザ様から待ち望まれていた、請求書や見積書など企業によってフォーマットが異なる非定型帳票もまとめて読み取れるようになりました。現在は7種類の帳票に対応しており、今後も継続して対応帳票を追加していきます。
また多言語にも対応しており、英語・繁体字・タイ語・ベトナム語は「DX Suite」で読み取ることができます。また、現在のユーザーインターフェイスは日英のみですが、他言語にも対応していく予定です。
そのほかにも、自治体や銀行などから強くご要望があったセキュアな環境で「DX Suite」が利用できるエッジコンピュータ「AI inside Cube」の提供や、RPA各社や複合機を取り扱う企業との連携によって、着実に活用シーンを広げ、多くの業界や業種でご利用いただけるようになりました。
「DX Suite」は次のフェーズへ
「DX Suite」はここで留まることなく、これからもUXの向上を継続します。その進化の第一歩となる「Workflows」 α版を4月にリリースしました。「Workflows」は「DX Suite」に加え、Webフォームと紙帳票のデータのを同じ業務フローに載せて効率化する「Digital Input 」α版などの、AIやアプリケーションを使うためのサービスです。ユーザ様の業務プロセスに応じて、組み合わせてご利用いただけます。今後は当社が提供するノーコードで高精度なAIが作れる「Learning Center」で作成したAIや他社のAIサービスを、マーケットプレイスでシェアし「Workflows」上で利用できる構想も視野に入れて開発を進めています。
「DX Suite」で培ってきた画像認識をはじめとしたAI技術、パートナー企業・OEM企業との連携、そしてユーザ様とのコミュニティよってAI inside は前進してきました。今後もこの財産を糧に、AIプラットフォーマーとして、AIがより手軽に、より身近な存在として活用いただけるよう取り組みを進めてまいります。