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1人目DX推進担当者の「攻めるIT」への挑戦

お客様の製品開発の支援や量産試作、量産を行うJOHNAN株式会社では、AI inside の「DX Suite」を導入しています。今回は、その導入をリードし、JOHNAN株式会社1人目のDX推進担当者の広瀬さんに、AI利活用の取り組みを伺いました。

顧客価値を意識したIT推進へ

ーーJOHNAN株式会社がDXに取り組むこととなった背景を教えてください。

広瀬さま:会社として中長期的にどのようなことに取り組み、どのように進めていくかを考えたためDXに取り組むことになりました。従来、JOHNANグループの情報システム部門がITツールの導入を進めてきましたが、顧客価値を意識したIT推進が不足していました。『攻めのIT』を経営層から求められていましたし、誰かがやらなくては、と思い手を挙げました。

より付加価値の高い仕事をするために

ーーどのようにDX推進を行っていますか?

広瀬さま:新しい事業として取り組んでいる自社製品の開発事業では、バックオフィスの自動化・省力化は大きなテーマでした。その上で新しい価値を生むという本来の目的を達成するため、段階を踏んでDX推進に取り組んでいます。

業務の効率化は狙っていきますが、それ自体が目標になっては意味がありません。少子高齢化やコロナショック、ほかの工場の生産革新もある上で、競争力をあげていくために、まず今までの仕事のやり方を見直し、そこから付加価値の高い業務にシフトしていきたいと考えています。

会社全体のDXのため、部門内、事業部門内、その後社内全体へと展開したいと考えています。その中で、「DX Suite」は部門内のDXの基礎フェーズとして活用しています。

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初めてAIを活用する実務担当者との連携

ーー「DX Suite」をどのように活用していますか?

広瀬さま:「DX Suite」を活用している業務は、注文書のデータ入力です。以前は、年間約5,000件の注文書がFAXで届き、1〜2人で手入力を行っていました。今後、事業が拡大していった時に人的資源を投入していくことが経営上最適なのかを考える必要がありました。

大手企業との取引にはシステムが導入されているものもありますが、お客様の注文方法に付随してしまう業務のため、人的リソースが必要になっていました。貴重な人材・時間をより価値のある業務に起用したいところですが、注文書の管理のためのデータ入力はIT化が難しい業務でした。

ーー現場担当者のはどのような反応でしたか?

広瀬さま:現場担当者の期待値はそこまで高くなかったのですが、『DX Suite』は使いやすいUIだったので、とりあえず試してみて欲しいと、実務担当者と上長を巻き込んでいきました。推進する立場としてはやはり現場に新しいデジタルを体験して欲しいと思っています。

トライ&エラーの繰り返し

ーーどのように導入に取り組みましたか?

広瀬さま:トライ&エラーをずっと繰り返していました。注文書の受領、設定、CSVでのアウトプットなど、週1回の定例会とチャットで実務担当者と一緒に検証していきました。

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ーー活用による効果を教えてください。

広瀬さま:結果、これまで手入力していた業務を「DX Suite」とRPA を活用することにより、年間232時間かけて処理していた約5,000件の対応を38時間まで削減することに成功しています。

また、実務担当者から「こうだったら読み込めますか」というAI活用のアイディアがどんどん湧いていきました。使っていく中で使い方がわかってきてきたんだと思います。デジタルツール活用による社内のノウハウ蓄積にも繋がっていると思います。

1つ目のプロトタイプを見せてリードしていく

ーーDX推進のためどのように社内に働きかけていますか?

広瀬さま:小さくてもいいので効果を出していくことが大切だと思っています。一歩でも前進するには、プレゼン資料を綺麗に作るのではなく、現場の人が使いたいと思ってもらえるようなプロトタイプを見せたいと思いました。

実務担当者にもインタビューも行って自分たちの業務負担がどれだけ減ったのか聞いています。AIは抽象的なので動くものを見せたいので、今回は「DX Suite」の使用感が伝わるよう画面録画にテロップを付け社内事例として発信しました。その効果もあってか、現在は他部門でも「DX Suite」の導入を検討したいという声がかかっています。

さらなるDXに向けて

ーーAIを利活用していくためにはどのようなことが必要だと考えていますか?

広瀬さま:「DX Suite」の導入は、AIを初めて活用する機会となりました。AIの導入には、AIの特徴を掴む必要があります。まず最初のステップとしてAIによって業務効率化を図り、次のステップとしてイノベーティブな仕事によるさらなる価値創出を目指すため、“AIと人間がどうコラボレーションして仕事をしていくか”をデザインしていくことが大切になっています。

ーー最後に、DX推進への取り組み方を教えてください。

広瀬さま:DX推進は、DX推進担当者の力量にかかってしまっている部分が大きいと思います。上層部のITリテラシーの向上も必要です。逆に実務担当者は、自分の業務のやり方が当たり前だと思い込んでいるケースもあります。社内の事例を小さくてもたくさん作っていきながら、事業部門・会社全体のDXとつなげ、価値創出を行っていきたいと考えています。

詳しいJOHNAN株式会社の「DX Suite」の活用方法や効果はこちら

※本記事はAI inside コーポレートサイト「STORY」からの転載となります。
「STORY」URL:https://inside.ai/story-all/