カイゼンを加速させるAI-OCR「DX Suite」活用事例(製造業編)
AI inside が提供するAI-OCR「DX Suite」は、業界や部署を問わず幅広く活用いただいています。その中で、各社がどのような背景や課題を持って当社のサービスを利用するに至ったのか、さらに導入後の成果や効果などをまとめてご紹介します。
今回は製造業に関わる3社の「DX Suite」活用事例をお届けします。
現場の社員が自ら読取設定し、活用することができる
活用事例:株式会社神戸製鋼所様
鉄鋼、機械製作や電力事業を手がける大手鉄鋼メーカーである株式会社神戸製鋼所(KOBELCO)様では、取引先や仕入先からの伝票、協力会社からの納品書や作業証明書、また社内のアンケートなど、日々多くの手書き帳票が発生しています。
これらを全て手入力でデータ化する作業は、本来業務に充てる時間が削られたり、入力ミスによる手戻りが発生したりと、現場への負担は大きいものでした。この課題をグループ全体で解決するため、「DX Suite」を採用いただきました。
実際に導入されてご評価いただいているポイントは、「読取精度」に加え、「現場で読取設定ができる」ことです。各帳票は定期的に変更などもあり、その都度、変更を各拠点で反映させなければなりません。そのため、現場の社員が自分たちで使いこなすことができる、わかりやすいUIを求められていました。結果として「DX Suite」は、ITに詳しくなく経験があまりない社員の方でも帳票設定を自ら行い、読取まで活用いただいています。
本導入により、年間12,000時間発生していた社内アンケートの入力業務が400、500時間にまで削減するなど定量的な成果が出ています。また利用された社員の方から「間違いは許されない、という入力ミスによる精神的な負担も軽減された」との声も届いており、効果を実感いただいております。
読取精度を向上させるため、自社フォーマットに工夫を
活用事例:アルケア株式会社様
アルケア株式会社様は、医療機器の開発、製造と販売を行われています。お客様からの注文はFAXで届くことが多く、デジタル化を進めるも一部どうしてもFAXが残ってしまうことが課題でした。そこでFAXが残ることを前提としてAI-OCRの導入の検討を始め、当社が提供する「DX Suite」のトライアルを実施するに至りました。
トライアル期間は本番と同じ環境で利用ができ、また当社CSによる設定の仕方や読取精度向上の支援も行っています。例えば「罫線を文字をして認識してしまう」といった相談にも罫線の読み飛ばしの方法をお伝えするなどして、本導入後もスムーズにご活用いただけるよう設定や環境を作り上げていきました。
また独自の取り組みとして、読取精度をさらに上げるために帳票のフォーマットを一部修正するなど工夫もされています。実際の帳票を使ったトライアルを行なった際、人が見てもわからないくらい小さな文字は「DX Suite」でも読取ることができないとわかりました。そこで「DX Suite」の設定を変えるのではなく、「読み取りやすい文字を書いてもらえように」と自社の帳票にある項目欄を大きく広げ、文字が書きやすくなるよう修正されました。
実運用を見据えてトライアルを行なった結果、正確さが非常に重要となる注文書でも精度高く読取ができる環境が整ったため、本導入へとつながりました。
社内管理情報と連動させ、人が介在しないプロセスを作る
活用事例:ブリヂストンファイナンス株式会社様
ブリヂストンファイナンス株式会社は、タイヤ市場でグローバルでも大きなシェアを持つブリヂストンの子会社です。主な事業のひとつに、グループ全体の業務効率化を目的としたBPR(Business Process Re-engineering)があり、グループ間の間接業務を集約して効率化を図るべく、株式会社ブリヂストンの伝票起票業務を受諾されています。
しかし、ただ業務を集約しただけでは人的リソースに依存してしまいます。そこで抜本的な業務効率化を目指し、「DX Suite」とRPAを導入されました。導入後は、月間150件ほどある伝票起票を「DX Suite」 とRPAで、読み取りから入力までを全て自動化されています。
全自動化の大きなポイントは「DX Suite」で帳票を読み込む前に、独自で作った「スタンプを押す」ことです。このスタンプの枠内に管理番号を記入し、「DX Suite」に読み込ませることで、人が行なっていた書類の付き合わせプロセスが不要になりました。また管理番号と社内で管理している仕訳情報を紐づけることで、毎月同じ費目で届く請求書は仕訳作成まで自動化できる仕組みを実現しました。
AI inside では、「DX Suite」をはじめとするサービスを通じて優れたユーザ体験を提供するために、読取精度やサポート体制などの強化を続けています。この当社が提供できる価値に加えて、ユーザ様の導入への想いや社内での工夫していただくことで、活用の幅がさらに大きく広がっています。
今後もユーザ様やAIを通じた課題解決を目指す皆さまのアイディアの種となるよう、各業界における活用事例を発信していきます。