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AI導入の成否を決めるのは技術よりも「使う人の心」。だから私たちは「伴走」する【MY CAREER STORY】

「誰もが使える世界規模のAIプラットフォーム」の実現を目指すAI inside。そのためには優れたツールをただ作るだけではなく、顧客にとって実利をもたらす「より良い使い方」を共に考え、実装し、成果を上げることに伴走できる存在も必要です。

AI inside では、その存在を「DXコンサルタント」と呼んでいます。大手エレクトロニクスメーカーなどを経て、ジョインした遠藤国枝もその一人。顧客の「やりたいこと」からToBe像を示し、ビジネスを共に作るパートナーとして動く遠藤に、この仕事が帯びる使命感を含めて聞きました。

遠藤国枝(Kunie Endo)
Consulting Unit、Principal of insideX
新卒で富士通へ進み、新規事業部門を渡り歩く。ビックデータやAIには2010年頃から携わり、企画や導入コンサルとして従事。その後は「現場寄りのDX」を志してRPAテクノロジーズや日本IBMを経て、2022年7月にAI inside に入社。算命学(占星術はビッグデータ)が得意で、顧客や社員の悩みを聞くことや、チームビルディングとして活用することも。趣味はカレー。

※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです

新規事業に携わり続けても、根っこはいつも同じこと

──学生時代、どんなことに興味がありましたか?

中学校の頃からパソコンが好きで触れてきましたが、大学時代にはなんとなくの興味からマーケティングリサーチについて学んでいました。「どういったインプットをすると、どのように人は流れるのか」といった世の中の動き方、人々の頭にある考え方が知りたかったのだと思います。新聞社のアルバイトで世論調査もやっていましたね。

──最初の就職は富士通だったそうですね。

富士通では、最初の配属が営業だったんですが、面接時からSEの志望を伝えていたことや、毎朝の掃除を欠かさないようにした結果、偉い人に目をかけてもらって2年後に新しい技術を用いて事業をつくる「ニュービジネス推進部」といった部署に異動できました。

そこから、いわゆる新規事業部門をずっと回遊するようなキャリアを歩んでいます。CRM、ビジネスインテリジェンス、ナレッジマネジメント、SFA、IT運用管理と経て、2010年頃からはビッグデータとAIを専門にしてきました。でも、よくよく考えてみると、やってることってそれほど変わらないんですよ。

──どういうことです?

つまり、お客さんが困っていることをIT技術で解決します、という仕事ですから。今でいうDXのように「何を実現したいのか」をちゃんと聞いて、持ちうる技術や素材を組み合わせて提示する。立ち位置としては、その時々で新しいサービスを自分たちで考えていますけれどね。私は案件の最初に突っ込まれて(笑)、運用を軌道に乗せ、サービスをこなれさせて改善するサイクルを回してきたわけです。

10年以上、AIに携わったから見えた「現在地」

──富士通からAI inside には、どういった経緯でジョインしましたか。

富士通時代にAI-OCRにも触れていて、そのときからAI inside の存在は知っていました。

新卒から23年間お世話になった富士通ではさまざまな事業に携わらせてもらって、たくさんの新しいができる機会をいただきましたが、自分自身としても新しく何かを仕掛けるイメージが持てなくなった、などと考えている時にRPAを扱う企業から声がかかりました。

結果、そちらに移って、RPAとAIを連携させて業務を高度化していくことに取り組み、その際にAIを提供するパートナーとして、高橋(蔵人)がいたaiforce solutions と出会いました。自然と付き合いが始まって、お互いのAIやDXに対する考え方を話し合うこともありました。何度か入社を誘ってもらってはいたのですが、私は一度、日本IBMへ転じています。

でも、本来は自分が成し遂げたかったことが現場の変革をスピーディーに実現していく、という別のやり方であることに気づいた頃、aiforce solutions がAI inside に吸収合併されていました。このタイミングで初めて、AI inside が掲げる持続可能な未来社会を目指す「Smart X」構想と、自分の描くやりたいことが近い世界観にあると知り、ジョインすることに決めたのです。

──2010年頃からビッグデータやAIに携わって、どのような変化や進化を感じますか。

「便利なツール」が出てきたのは大きいでしょう。たとえば、富士通は企業立病院を持っており、30歳以上の社員はそこで定期的に人間ドックを受診しています。この大量の受診データを用いて、糖尿病の発症予測をした取り組みがあり、必要なデータを揃える人や実際にPythonを書くエンジニアなどが会議室に集まって、1ヶ月近く詰めて解析しました。

それが今は、それこそAI inside の「Learning Center Forecast」にデータをかければ、おそらく一晩ほどで何かしらの成果は出せるはずです。データ活用のコストは大幅に下がり簡素化されましたが、ツールを使う側の「やりたいこと」や「できること」はそれほど変わっていないな、とも思います。

──欲しい結果を得るためのリソースは大きく変わったけれど、人間にはまだ変化が起きてはいない、といいますか。

以前に、SNSのデータをもとに世の中の需要を予測するプロジェクトの企画・PMをしていたことがあります。衆議院選挙の趨勢、週刊誌の販売見込み、自治体の総合計画などに活かせるシステムを作ったのですが、精度が高く便利なものができたとしても、経営者や現場がそれを理解して向き合わなければ採用されないものです。

あらためて、AIと生きていく前提で考えられる人が増えないと、全体として変わってはいかないのでしょう。今は、大学でも教育プログラムに加えるようなところもあったり、ビジネス界隈でも話が通じたりする人が増えてきてはいますが、時間はもう少し掛かりそうです。だからこそ、AI inside の担う役割も大きいともいえますね。

ビジネスを共に作るパートナーとして伴走する

──現在、AI inside ではどういった仕事がメインですか。

先ほど話した事情もあってか、2022年は実践型でDX人材を育てる「AI Growth Program」の提供に掛かりきりになっていましたね。入門編としての学びがあり、実際にお客さんが手を動かしてAIを活用することにも伴走します。その先で、AIを業務に適用したり、技術を使って事業を作ったりしていくこともご支援しています。大手SIerや地銀など、さまざまな企業でAIプログラムが立ち上がってきていますね。

──顧客に入り込んでいって一緒にビジネスを立ち上げるなど、個社ごとにカスタマイズした仕事が多いのですか?

型通りやっても構わないのかもしれないですけれど、そうはしたくないんです。なぜなら、それだとAIの価値が必要な形でしっかり伝わらないからです。

たとえば、私はよく「AIで分析商売をします」とお客さんには言いますが、メンバーはそれぞれ得意な領域が異なるので、メンバーの嗜好や企業のチャネルによって作りやすい出口は変わります。私は顧客のチーム体制を見ながら、「こんなふうに使ってみてはどうか」と提案するところも含めて、ビジネスを作るパートナーとして支援することにしています。

──それが、まさに急募もしているAI inside の「DXコンサルタント」の仕事なのですね。

同様の支援をしているコンサル企業はあるかもしれませんが、私見ですが、それらと比べてAI inside は関われる範囲が広いですね。自社プロダクトを持ちながら、先々の業務分析をしながら最適な形で改善に伴走するのが責務である一方で、事業の立ち上げからAI人材育成といった範囲まで手がけられるような懐の広さがあると思います。元aiforce solutions 組の西川(智章)や高橋といったリーダー層が、得意としている業界ジャンルが異なるのも功を奏しているといえそうです。

──長く業界を見てきた遠藤さんから、AI inside の魅力を言葉にするなら?

一つには、顧客との関係が良好になりやすいことが挙げられます。DXを推進する上で、お客さんが不安がるのは「成果が出るのか」という点です。AI inside は、AI-OCRでは市場シェアNo.1の「DX Suite」というプロダクトを持っていますから、まずはこの領域で目に見える成果を出すことができるわけです。

まずは「DX Suite」に任せられる作業を完遂させ、AIを導入することの効果を可視化します。そして、「この先の展開である機械学習にまで進んでいこう」と双方が思えるように、次第にその領域を広げていくというステップが踏めるんですね。

企業からしても、現代は変わり続けることが命題です。その点でも自社でAI学習を進められる「Learning Center Forecast」のようなツールを導入すれば、自ら作り変えながら改善する仕組みをDXコンサルタントとしても提供できる。RPAも活用して業務のプロセスを柔軟に作り替える仕組みを提供することで、現場主導で変わっていける。この活動を追求していくことでよりオートメーションの世界に近づくと思います。業務全体を可視化し、変えていくためのストーリーを描きやすいのは魅力ではないでしょうか。

そういった観点で見ても、AI導入を推進するためには技術そのものというより、「使う人の心」が重要、ということに落ち着いていくんですね。一般的にAI関係の会議は「飲み屋の議論」のようになりがちですが、AIに対する最低限のリテラシーをお互いに持ち、議論のベースラインの知識が揃えば、一緒に使って進んでいけるようになる。以前のRPA企業でも「今さら聞けないAI」という資料が好評だったのですが、まさに同じようなことがAIでも起きていると感じています。

泥臭く、AIの事例をもっと増やす

──遠藤さんにとって直近3年くらいの目標と、さらに描く未来像を聞いてみたいです。

世の中的にはAIを活用したいニーズや機運が高まってきていると思うんです。地に足を着けてAIに取り組める人も増えてきましたから、そういった方たちを応援していきたいです。足元のビジネスを堅調に伸ばしていくことはもちろん、もっと事例を作っていきたいですね。AIエンジニアやコンサルを含めたAIを作る仕事はかっこいいイメージを持つ人が多いでしょうが、かっこいいどころか、むしろ泥臭い。課題解決に向けて愚直に考え、データから裏付けをとっていくことを延々と繰り返す仕事で、華々しく見える取り組みの裏では地道な取り組みが行われています。でも、このような取り組みがあってこそ、日常の中に自然とAIが使われていき、世界が変わっていくと思います。かっこよくなくても、着実に世の中を変えていく、そんな事例発信をしたいです。

──例えば、どのような取り組みがありますか?

先日、相談を受けたもので面白かったのは、ある家電メーカーは工場の近くに「前線倉庫」と呼ばれる大きな倉庫を構えていて、主要な地域にある家電量販店などの注文に対応しているそうです。

ただ、現状では「いつ倉庫に商品が何台入ってきて、期日までに在庫が何台出ているはずだ」といった需要予測を含む入出庫を、担当者が全て頭で計算しているといいます。このあたりはAIの得意分野でもあります。現場の人たちが自分の努力だけで取り組んできたことを、AIによる自動化でよりなめらかにする、そういった事例を当たり前にしていかないと、世の中は着実には変わっていかないでしょう。

──なるほど、まだまだ「魔法の杖」のような期待感を持たれがちなのは、遠藤さんの言葉を借りれば地に足の着いた事例が増えるべきだと。

そうですね。10年以上、ビッグデータやAIに携わってきた経験からいっても、RAWデータから世の中を説明するような事例が生まれてはいても、まだまだ半端に終わっていることも多いんです。だからこそ、私としてもAI inside では成果が出るAI事例を、お客さんと一緒に作っていきたいのです。

──遠藤さんと共に仕事をする人材も募集中ですが、どういった人と一緒に働きたいですか。もしくは、どういった人ならこの仕事に向いていると思いますか?

DXコンサルタントは、自ら手を動かして何かのプロダクトを作るのではなく、お客さんのやりたいことをお聞きして、ある種のコーディネートを施せる案を作れることが大事なのだと思っています。AI inside は、まだまだベンチャーでもあって、ビジネスとして利益を上げることは大切ではありながらも、やはり「理想を求めて動く」という考え方が似合う環境だとは思います。

お客さんを応援する気持ちを胸に、一緒に考えて、動いて、やりたいことを実現していくこと。そこに喜びを感じられる人だったら、きっと楽しい仕事ですよ。

(文・写真/長谷川賢人)
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