エンタープライズにさらなる価値提供ができる品質に。若きManagerの挑戦はいつも本質を見つめている【MY CAREER STORY】
「誰もが使える世界規模のAIプラットフォーム」の実現を目指すAI inside。プロダクトを磨き上げることは欠かせませんが、十分なサポート体制があることも、顧客から選ばれるサービスのためにはプラスの価値として働きます。
カスタマーサクセスやサポートを担当するCustomer Experience UnitのManagerを務めているのが髙原楓です。入社わずか1年あまりでのManager就任と、その行動力は社内でも一目置かれる存在です。ある社員から贈られた言葉には「Managerとして、会社の代表として、常に先頭に立って課題解決と組織形成を心がけている」とありました。
髙原はどのような経緯でAI inside へ進み、そして今後どういったチームをつくっていきたいのでしょうか。
※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです
ファクトから正解を導いて、成功確率を上げたい
──学生時代は、どんなことを学んでいました?
社会学のゼミで、恋愛と結婚といったパートナーシップに関する研究をしていました。多様な家族のあり方や、1対1で補い合うだけでないコミュニティのような可能性についての論文を書きましたね。
社会学を選んだのは、自分のパーソナリティーにも理由があります。私は「目の前に転がっている課題を無視できない」タイプなんです。私が触れた社会学は、マイノリティやLGBTQを始め、元受刑者など「何かしらの課題」を抱える人たちが社会にもっと居やすくするには、社会そのものが変わらなければいけないと考えるものでした。
実はその学びが、大学3年生の夏くらいからインターンでお世話になった企業のマッチングアプリの部署で活きてくることがあったんです。まさに研究テーマがつながっていて。他にも新卒採用にも携わったのですが、大学卒業後は別の企業へ進むことにしました。
──1社目はどこに?
ネット広告代理店です。サマーインターンは学生の中で有名な企業で、私も参加してみたのですが「3日間で、アメリカのシリコンバレーにあるベンチャー600社から飛躍する一社をプレゼンせよ」という、ガッツリとしたテーマが課されて。
──それはポテンシャルを把握するだけでも大変な……。
しかも、情報は全部英語で、ウェブサイトがない企業もありました。学生たちだけでなく、関わる社員も本気で挑んでいる姿勢が伝わってきて、それに惹かれて入社を決めましたね。
当時の仕事で今にもつながっているな、と思うのは「ファクトから正解を導いて成功確率を上げようとすること」が好きなんです。たとえば、チャネルセールスマネジメントの業務として、メディアの出稿状況などからデータを分析して、「攻めやすいセグメント」や「刺さるクリエイティブ」を提案していたような業務です。
AI inside の入社後にも、カスタマーサクセス(CS)としてテックタッチに取り組んだ際に、ヘルススコアの分析といったことにつながっていました。AI inside はすでに2,000社以上のお取引きがありますから、人力でCSを回そうとしても、どこかで必ず無理が生じてきます。それなら、しっかり当たりをつけて正しくやろうと。そこで、データをもとにしたアクションが必須なんですね。
AI inside は戦略に納得感があった
──AI inside に転身しようと思ったきっかけは?
ウェブ広告の「配信先」や「訴求表現」などの小手先のテクニックではなく、本質的に課題に向き合い、より幅広い提案ができるような仕事がしたい、と思うようになったからです。
それで、興味がある企業を30社ほどリストアップして、優先度を付けて転職活動を始めました。AI inside は他の選考も進んでいるタイミングで転職エージェントから紹介してもらったのですが、調べていくうちに第一希望の会社より魅力を感じて、結局は選考が進んでいた会社を辞退してAI inside に決めました。
──決め手は何でしたか?
前職でアドネットワークに携わっていて感じたのは、やはりプラットフォーマーになっていかないと勝てない、という現実でした。GAFAMしかり、Yahoo!やLINEといった強い媒体にはどうしても及ばない。どこかの業界でトップになって、戦略的に勝つことの大切さを痛感していました。
AI inside はプラットフォーマーになることを掲げていますし、明示している「AI inside X」を実現するための好循環サイクルにも納得感があったんです。クラウドもオンプレミスも全ての面で取りに行く、という戦略が語られている取材記事を読んでも共感ができました。
従来のCSに加えて、パートナーの体験まで追求できるように
──2021年6月に入社されてから、現在の仕事に至るまでの経験を教えてください。
まず取り組んだのは「DX Suite」のテックタッチ領域です。ほぼチームの立ち上げタイミングでした。分析できるプロダクトのデータを取得し、ユーザ分析に活かすといったアクションを実践したり、コミュニティサイトやポータルサイトを設けてユーザのアクセシビリティを高めたり、社内のナレッジを蓄積させていったり……と、しているうちに1年半が経ちました。その間にManager にも就任させてもらってます。
今年の3月から組織が変わって、今はCustomer Experience UnitのManagerを務めています。「エクスペリエンス」という箱になったのは、プロダクトも、カスタマーも、パートナーも含めて、結局はサポートやテックタッチといった行為は、我々の製品に関わってくださる人たちの「体験を向上させる手段」につながる、との考えから集約されました。
組織変更で明確に変わったのは、提供価値をエンタープライズ向けの水準にしていくことです。従来でもサポート品質は、多くのSMBのお客様からはアンケートでも高評価をいただけていましたが、エンタープライズはより高水準なものを求めていらっしゃいます。従来のサポートにプラスアルファの価値を感じてもらうためにも、組織体制からのデザインや調整が欠かせません。
──個社ごとのサポート体制だけでなく、「AI inside のサポート」として全体の体験を良くしていくわけですね。
そうですね。典型的な例だと、「DX Suite」のAPIを自社製品に組み込んで販売されるパートナー企業も増えていますが、何かしらの不具合が発生すると、販売先であるエンドユーザにも直接的な影響が及んでしまいます。そのため、パートナー企業においてもサポート体制や開発の保守体制を構築してもらわなければなりません。まさに過渡期です。
──パートナー企業まで考えるとなると、SaaSビジネスの「THE MODEL型」でAI inside の社内を分業するだけでは対応しきれない仕事も増えてきそうです。
やはり、THE MODELは直販向きの仕組みだと感じますし、パートナーセールスを進めていくとステークホルダーが増えることもあって、より成立はしにくいと考えています。競合他社が生まれていく中で、レピュテーションを高く保つためにも、製品やサポートの品質は密接に関わってくる。
だからこそ、従来のCS業務を超えて、パートナーの体験まで追求できるように、Customer Experience Unitが作られたと言ってもいいでしょう。全体としてエクスペリエンスを高めていきたいのです。
本質的に、根本的に、良くしていこう
──AI inside へ入社後、わずか1年あまりでManagerに就任されています。一般的には早い昇進だと思えるのですが、戸惑いはありませんでしたか?
実は私自身が「Managerをやりたい」と言い続けていました。乗り越えるべき壁が非常に高くても、メンバーの立場ではアプローチできる範囲が狭いと考えたからです。
── なるほど、転職のきっかけでもあった「もっと幅広く提案したい」にもつながります。
もちろん、良くも悪くも広がった分だけ、経験が浅いですから力不足は感じます。他の方なら経験値から意思決定できることが、自分には難しいこともある。でも、もっと上を目指すのであれば、本質的には過去を踏襲するだけでは飛躍的に良くなることはないはずです。
何かしらの課題に対して、「経験がないからアイデアに乏しい」や「成功体験からその場をしのげない」と思うのではなく、本質的に見直して、そもそも入念な設計や事前チェックを施して、課題を起こさないようにしなくちゃいけない。本当に必要なのは、目の前のサポートだけではなく、開発に対するアプローチなのかもしれないですよね。
「根本的に良くしよう」というスタンスを持ち続けて、会社を良くするために足元のできることと、将来的に目指すべき場所へ向かうための動きを、常に両方持ち続けないといけないと思っています。言い換えるならば「変化を好きになる」みたいな感じに近いですね。
── 「目の前に転がっている課題を無視できない」というパーソナリティにもつながっているのしょう。
AI inside では「Rules of Innovation(ROI)」という7つの価値観を掲げています。その一つである「Get Making」は、「評論家にならず、まず素早くカタチにしてから検証を重ねることで、正解にいち早くたどり着く」という意味です。私自身も、まずは動ける人でありたいと心がけていますし、ROIのなかでも一番に共感できます。
今では自らアイディアを持って相談しにきてくれるメンバーもいて、自分にとってもヒントを得られてありがたいですね。逆に、Managerとして、頼まれたからこそ私も取り組もうと動いていくこともあります。
“Get Making”に、顧客体験を追求するスタンス
──どういったManagerであろうと心がけていますか。
2023年3月から執行役員CROを務めている岡田(和敏)さんが、とても尊敬できる存在で、私にとってのロールモデルの一人なんです。
ある時緊急度の高い案件の対応が必要で、急遽1時間後に打ち合わせが設定されたので、Slackで「対応方針を相談したい」と岡田さんへと送ると、即座に「私も参加しますよ」と返してくれて。必要なところで真っ先に表へ出て、短時間でも課題の本質を捉える状況整理力があって、さらに顧客からの求めでも飲めないところはちゃんと断れる。その時の対応力が印象的で、私もそういうふうに対応できるようなManagerになることは、大事にしたいなと思っています。
──今後、一緒に仕事がしたいメンバーに求めるスキルやキャリアはありますか?
まさに今、強化していきたいのはテクニカルサポートです。技術的な知識や理解力を持ち、非開発者に翻訳して伝えられるスキルが望ましいですね。もう一点あるのが、お客さまのご要望も踏まえて、課題へ的確にアプローチできるような、交渉力やクレバーな姿勢です。
──どのようなチームや組織をつくっていきたいですか。
組織としては、ベースとして有事のことがないように土台を固めていき、そのうえで、プラスの価値を乗せていく想定です。チームとしては、エクスペリエンスを掲げる以上は、まずカスタマーファーストであることは大事にしたいです。「本質的にお客さまのためになることは何か」と顧客体験を追求するスタンスですね。メンバーの資質としては、向上心や主体性は必要です。主体性がないと、「Get Making」でいう批評家になりがちですから。
チームの雰囲気は、やっぱり明るくいたいです!ちゃんとコミュニケーションを取ることは当たり前に、出社推奨日を設けたり、定期的な1on1をしたり……みんなで戦略的に仕事の評価を上げにいけるようにも取り組んでいます。クォーターの最初のタイミングで個人目標を言語化してもらって、それを2週間ごとに振り返り、定期的に確認しています。
そういったコミュニケーションを取ることで納得感も生まれ、メンバーの連帯感も増していき、「仕事は大変な時もあるれど頑張ろう」と思える組織にしたいんです。
あとは、あだ名が浸透する文化を広めたいですね!
──あだ名?
私は親友からつけてもらった「でんでん」を高校1年生から使っていて、大学生のときも自己紹介でフルネームを言わずに「でんでん」から覚えてもらうくらい、便利に付き合ってきたんです。すっかりAI inside でもあだ名が浸透していて。
あだ名って、コミュニケーションのフックになるものだなぁ、って思うんです。だから、私のチームに入ったメンバーは、トレードマークのアイコンとあだ名をつける企画を勝手に進めています(笑)。そういうカジュアルな雰囲気が、今よりも増えるといいんじゃないかなって。
(文・写真/長谷川賢人)
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AI inside では多方面ポジションで新たな仲間を絶賛募集中です!