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カスタマーサクセスの「型作り」の経験を生かして、次なる挑戦はパートナーへ「型の輸出」【MY CAREER STORY】

「誰もが使える世界規模のAIプラットフォーム」の実現を目指すAI inside。その目標を叶えるには、導入者数を増やすことだけでなく、導入先でスムーズに運用され、確かな成果を残していくことが欠かせません。

ユーザの課題解決に伴走し、成果が出るように支援する「カスタマーサクセス」。その役割を担うのは、Customer Onboarding Unit(COU)です。COUを率いる中村欣司は、17年間勤めたリクルートから転じて、2019年にジョインしました。「知れば知るほど好きになっていった」というAI inside のサービスたちを、より世の中に流通させていくための構想を聞きました。

中村欣司(Kinji Nakamura)
VP of Customer Onboarding Unit

東京都出身。大学卒業後、自動車ディーラー会社を経て、リクルートのカーセンサー部門に勤めた17年間は広告営業やカスタマーサクセスとして、マネジメントや業務の型作りに従事。2019年10月にAI inside に入社し、現在はカスタマーサクセスを担うユニットのVPとして、3チーム合計13名を率いる。

※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです

AI inside との出会いは「勘違い」?!

──入社するまで、どういった道のりを歩んできましたか。

大学は法学部を出ていますが、体育会のサッカー部に所属していて、4年生の夏くらいまで部活を続けていました。就職活動も出遅れてしまい、知り合いに紹介してもらうかたちで自動車ディーラー会社に入社し、販売業務に6年間就いていました。

そこから2002年に転職し、リクルートのグループ会社である中古車情報サイトを運営する「リクルートカーセンサー」で広告営業などを17年間ほど勤めました。それで、2019年にAI inside へ……。

──えっ、ずいぶんと思い切った転身ではないですか?

すごいですよねぇ。業界的には全くの畑違いですが、AI inside がカスタマーサクセスのチームを作りたいタイミングだったんです。

というのも、もともとはカーセンサーで広告営業をしていくうちに取引量が増えてきたことで、今で言うカスタマーサクセスのようなチームを立ち上げて、マネジメントをしてきた経験がありました。組織もある程度は拡大し、成果も出せたので、自分としては構想が叶って満足したところがあり、新しい場所に向かおうという気持ちが湧きました。

──そこで、AI inside を選んだきっかけは?

次のキャリアも「カスタマーサクセスのチームを立ち上げようとしている会社」に進もうとは決めていたのですが、勘違いをしてしまったのか、文系なのに技術系の転職エージェントに登録しちゃっていて(笑)。そこでAI inside を紹介されました。「受けるだけ受けてみませんか?」と促され、ひとまず話だけでも聞いてみようと面接に進んだんです。

AI inside は、今でこそ月間2億弱のリクエストがあり、取引社数も2,000社以上ありますが、当時はそれぞれ10分の1くらいの規模感でした。

──つまり、入社からの3年で10倍に伸びたと。勘違いから始まった面接、どんなことを話したのでしょう?

面接では、現CROの谷さんから「DX Suite」のデモを見せてもらったのですが、僕は「OCRとは何か」もしっかりわからないくらいでした。でも、その熱意のある説明から、「DX Suite」というプロダクトに誇り持っており、「このブランドを育てたい!」という意欲を強く感じましたね。

自分は、カーセンサー時代に率いたカスタマーサクセスのチームについて話しました。カーセンサーでは、自動車には詳しくない派遣社員さんたちへ約2週間でレクチャーをして、チームのメンバーとしてデビューしてもらい、販売した広告を継続してもらうための働きかけをするという、業務の「型作り」をしてきました。短期間で広告運用に必要な知識を習得し、より効果が出るように伴走する仕組みです。

その「型作り」はAI inside でも求めるところで、ここなら自分の経験が役立てられるのではないか、と思ったんです。カーセンサーでは型を作り上げるのに7年間ほどかかりましたが、まったく異なる業界で、さらなる短期間に構築できれば、自分としてもセカンドキャリアを伸ばしていく上で、特徴的な武器の一つになってくれるとも考えました。

知るほどに商材を好きになっていった

──入社後は、どういった役割を担ってきましたか?

1年間は、当時のリーダーのもとで、仕事を覚えながらカスタマーサクセスを一人のプレイヤーとして務めてきました。直近はずっと管理職だったので、自分自身の「プレイヤー力」がすごく落ちていて、複数案件を同時進行させていく大変さを感じました……。

──畑違いの場所だと、使われる用語や言葉もわからず、なお大変でしょう。

基本的に、最初は全くわかりませんでした。ただ、自分のスキルが活かせるポイントが見つかってからは仕事の進め方も変わりましたね。

それまでは顧客から尋ねられた内容に「できます、できません」と回答する、いわゆる「技術サポート」のような応対に留まっていたんですね。そこで、僕は広告営業で得たスキルを使って「なぜ、そのようにしたいのですか?」といった問いかけも含めて、言い回しや言葉遣いを変えていくようにしました。

そうすると、慣れるうちに仕事も面白くなってきて徐々に成果もついてきたんです。誰よりも知識がないからこそ、誰よりもお客さまに伴走する。そのスタンスは今でも通じているところだと思います。

──何が、それほど面白くなってきたのですか?

カーセンサーでは50人ほどの女性メンバーがおり、ヒューマンマネジメントが強く求められていました。当時はメンバーの関係性の把握やモチベーション管理を行う管理職だったこともあり、AI inside 入社当初はプレイヤーとしてお客さまのために尽力できることが、とにかく楽しかったんです。

自分のスキルも上がってきて、お客さまの課題を解決できる幅も広がっていきました。さらに、AIという商材の特徴として外部サービスとの連携に関する知識も次々に入ってきます。とにかく「自分の引き出しにないもの」に取り組み、アップデートをし続けてきた結果、自分のサポートでお客さまの課題を解決したり、サービス連携でよりよく使えるようになったりして、「ありがとう」と言っていただける機会も多くなってきました。

僕がそれまで売っていた広告は、必ずしも効果が保証される商品ではありません。でも、「DX Suite」は、“本当に”使えば使うほど効果が出てくる、とても良い商品です。「ちゃんと使えれば」という前提があるにしても、お客さまが目に見えて成果を挙げられるからこそ、どんどん好きになりましたね。

拡張するカスタマーサクセスの役割

──1年間のプレイヤー期間を経て、いよいよカスタマーサクセスの「型作り」に向かっていかれたんでしょうか。

そうですね。2021年の2月からは社内でもユニット制が敷かれ、COU(Customer Onboarding Unit)のVPとして、当時3名のメンバーを率いることになりました。

現在は3チーム10名を超える規模になっています。「DX Suite」を扱う、最初の導入をフォローするチームとエンタープライズ向けに伴走するチーム。あとは「Learning Center」を扱うチームです。

エンタープライズ向けのチームは、今では新しい案件を獲得するためのコンペに参画するような案件も増えてきています。先方が求める要件を満たすパートナー探しからプレゼンに関するサポートも実施することもあります。導入支援だけでなく、営業要素も強く出てくるようなコンサルティング業務に近しいものといえます。

パートナー企業内にカスタマーサクセスチームを立ち上げる

──現在、ご自身のなかで見えているロードマップはありますか?

まずは、現在の3チームでカスタマーサクセスをより進めていきます。リーダーを任せたいメンバーもいますし、もっと成長していけると思っています。

これまでのようなユーザ様のご支援をより推進していく一方で、それとは別に新しいことにも挑戦しています。言うなれば、カスタマーサクセス立ち上げのOEMのような「型の輸出」です。実はまだカスタマーサクセスでは「僕一人だけのチーム」で組織図にも表現されていないのですが(笑)、パートナーグロースを担うユニットと連携して進めています。

AI inside はパートナー様経由の売上が大きな割合を占めます。僕の次なる目標は、そういったパートナー様の社内に自前のカスタマーサクセスチームを作っていただき、共通のKPIを持ってサポートしていけるような体制を実現したいと考えています。

というのも、AI inside 社内でカスタマーサクセスのメンバーを増やしていくことそのものは目指していません。なぜなら、僕らの商品を広げていくために一人当たりの担当社数を増やす、あるいはそれに見合う人員拡大をしていく仕組み作りは前職で経験があり、その戦略だと発展性に限りがあることも知っています。

むしろ、大規模な企業であれば何万人と社員のいる会社もありますから、そういったパートナー様と一緒に動ければ、生産性はもっと高められます。僕らが頑張って50人、100人とメンバーを増員して向き合える社数と、1万人の社員がいらっしゃるパートナー様が対応できる社数では、AI inside が掲げる「世界中の人・物にAIを届け豊かな未来社会に貢献する」というミッション達成に近づけるのは、明らかに後者だと考えるからです。

──AI inside のカスタマーサクセスとして「一緒に働きたい人」の要素はありますか?

「お客さまの成功を喜べる人」が僕の中では最も大切です。それから、ホスピタリティ。例えば、お客さまからのメールの対応速度や、お客さまの質問の背景を探れるか否かといった点に表れる、人が喜んでくれることへの共感力といいますか。あとは、グローバル展開を加速させているので、多言語に明るいのはとても嬉しい要素ではありますね。

AI inside が持つ商材としての魅力は、AIに明るくなかった僕でも扱えるくらいに簡単なことです。ただ、UIを含めて簡単に使えるけれども「使いこなす」には必要なこともあります。使いこなすには「なぜ、使い倒したいのですか?」「なぜ、役立てたいのですか?」といったお客さまの課題や要望の解像度を高める問いが結びつくことが欠かせません。

お客さまの課題解決のためにできることに全力を尽くす。そのために必要な手段とオンボーディングを考える。それはまさに伴走の姿勢であり、いくら世の中がAIやロボットで自動化されたとしても、カスタマーサクセスとしての役割は今後も無くならないのだと、今はそう思っています。

(文・写真/長谷川賢人)
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