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『ストーリーとしての競争戦略』に魅せられた大学生が、入社して1年半でAI inside のシニアマネージャーへ昇格するまで【MY CAREER STORY】

「誰もが使える世界規模のAIプラットフォーム」の実現を目指すAI inside。その実現のためには、共に私たちの製品を広め、導入を推進してくださるパートナー企業の存在が欠かせません。AI inside のパートナーサクセスを担う部署でシニアマネージャーを務める黒川遼太郎は、大学の卒業論文執筆をきっかけにAI inside を知り、その“特異性”に惹かれて入社を決めました。想いと運、そして熱意が引き寄せたAI inside への入社。その後の活躍から、わずか1年半でチームを率いることになった彼に、これまでの歩み、魅力や可能性を聞きました。

黒川遼太郎  (Ryotaro Kurokawa)
Senior Manager of Partner’s Growth Unit

1996年生まれ、愛知県出身。南山大学経営学部卒業、イギリスのリーズ大学で交換留学も経験。在学中にはスタートアップ立ち上げに参画し、映像制作事業、B2B SaaSなどに携わる。2020年9月にAI inside にジョイン。直販セールスを経て、2021年4月からパートナーセールスを担当。2022年4月にシニアマネージャー就任。

※内容や肩書・所属は記事公開当時のものです

『ストーリーとしての競争戦略』が始まりだった

──出身はどちらですか?

実家は愛知県です。名古屋市にある南山大学を卒業してから、第二新卒のような形でAI inside へ入社するために上京したんです。

──上京と就職が重なると、環境全てが変わりますね。プレッシャーはなかったですか?

全然、なんとも思わなかったですね。大学在学中にイギリスへ1年間留学した経験もありましたし、環境の変化はあまり気にならないんです。カオスへの耐性は高いほうです(笑)。

──「第二新卒」ということは、一度は就職されたということ?

大学3年生の頃に就職活動をしていて、あるベンチャー企業に内々定もいただいていたのですが、知人から「一緒に会社をやらない?」と誘われて。二つ返事で了解して、大学を1年間休学して起業しました。「ベンチャーに進むか、起業するか」という選択肢があったときに、後者のほうが「面白そうだ」とすぐ思えたからでしょうね。

ただ、「この事業がやりたいから起業しよう」というプランではなく、まず起業ありきで「いかにお金を稼いでいくか」を考えることからスタート。映像制作をしたり、投資家から出資を募ってサービスを作るも失敗したり。「盛大に失敗するとお金って本当に一瞬で溶けるんだな……」と経験しました。

大学は経営学部だったのですが、ある講義で、その後の進路にも関わる一冊の本と出逢いました。それが楠木建さんの『ストーリーとしての競争戦略』です。中でも「良い戦略とは、思わず人に話したくなるようなストーリーである。また、部分的に見れば非合理にも思えるが、全体のストーリーとして見れば極めて合理的な打ち手が含まれている。そうすることによって、他社が模倣をせず、差別化することが出来る」といった解説がめちゃくちゃ面白くて。

そこで、この「良い戦略」の定義をベースに卒業論文を書くことにしました。『2019年マザーズ上場企業のビジネスモデル』をテーマに有価証券報告書などを見ながら調べていくうちにAI inside を知ったんです。

──AI inside は2019年12月25日に新規上場でしたね。

AI inside のストーリーは抜群に面白かったです。起業した会社は1年半ほど続けたのですが芽は出ていなくて、「もし、今の会社を辞めるとしたらここに入社しよう」と心に決めるくらいでした。

知るほどに「しびれる」AI inside の“逆張り”戦略

──AI inside のどういったストーリーが、黒川さんを惹きつけたのでしょうか?

当時はBtoB SaaSが広まり、The Modelが流行り始めていた頃です。「これからのSaaSは直販体制で売るのが当たり前だ」とされるなかで、AI inside はSaaSのようなプロダクトでありながら、逆張りでパートナーセールスを積極的に開拓していました。

その理由は「AI inside X」というビジョンから落とし込まれています。「私たちはあらゆる人・物( = X )にAIが入り込んだ社会を目指し、より安く、より早く、より多くのAIを提供するためのサービスを展開」するためにも、AIを世の中に普及させるには直販だけでは限界が来ますから、パートナー企業を増やしていくことには合理性があります。

また、ARPU(※1ユーザーあたりの平均売上金額)を上げていくのが常道である一方、AI inside はむしろ下げていく方針を取るという逆張りでした。それも、AIを民主化して使われるためには価格もどんどん下げていかなければならないからで、ビジョンに対しても整合性があり、極めて合理的です。部分の非合理を全体の合理性へ転換させていくところに戦略の面白さを感じました。

AI inside は上場時、主力にAI-OCRを据えていたので、その事業を伸ばしていく企業だと思っている人もいたはずです。ただ、決算資料を見てみると、生産年齢人口が減少していくなかで「データの入力部分からAI化していく」と書かれている。「から」ということは、決して自らをAI-OCRの会社としては捉えておらず、それが提供サービスの「DX Suite」という名前にも薄く表れるメッセージ性を感じました。

知るほどに、しびれるなぁ、と。そう思って周りの友達に話すのですが、どうにも全然刺さらなくて(笑)。でも、卒論のために90社ほどの戦略を調べたなかで、僕はAI inside が一番面白かったです。戦略と打ち手、その成果としての収益まで、因果関係が示されていて、時間的な広がりもあり、パートナーを含めた好循環サイクルを産んでいくという表現にも惹かれました。

自分も顧客も「楽しい」と思えるストーリーを描く

──そこから、どうやってAI inside と接点を作っていったんでしょうか?

新卒採用はしていませんでしたから、結論から言うと、本当に「たまたま」なんです。

「U-23サミット」という23歳以下を対象にしたカンファレンスに参加したとき、隣に座った人がAI inside でインターンをしていました。もし、彼と席が離れていたら、僕は今日ここには居ないかもしれませんね。彼に間を取り持ってもらい、半年後にカジュアル面談をする機会を得て熱烈にプレゼンしました。

渡久地さんとの面談では、僕なりに「AI inside のストーリー」を紙に描き出して、その全体像の面白さを説明したんです。今思い返せば、AI inside の戦略を考えている社長本人に対して、その戦略を説明しようと思うのは不思議なことですが、自分が示せるのはスキルではなく熱意しかないと思っていましたので。結果的に入社が叶い「最短で入れる日でお願いします」と伝えて、2020年の9月にジョインしました。

2020年7月、入社前にノートにまとめていたAI inside のストーリー。
押さえるべきキーワードが含まれ、その後の展開も予見されている。

──まさに熱意が実りましたね。入社してからは、どのようなことをしてきましたか?

まずはDX Suite の直販セールスを担当しました。ただ、その頃から直販だけではない、パートナーエコシステムの構築やマーケットプレイス構想など全体のストーリーは見えていましたから、それらを広めていく方法についても考え続けていました。

半年ほど経って2021年4月にパートナーサクセスを担うチームへ異動することになりました。AI inside のパートナーサクセスは、単に代理店向けに商品展開をするだけでなく、パートナー企業における事業開発支援や、大型アライアンスの立ち上げに向けた提案活動なども含まれてくるため、考えるべき範囲も広がりました。

──直販との違いに、悩みや苦労はありましたか。

パートナー様と、いかに意思疎通して、どのように協業できるのかは、今でも悩みどころではあります。初期の頃、僕は良くも悪くも、DX Suite が良い商材だけに「勝手に売ってくれるもの」というイメージを抱いてしまっていたのだと思います。

しかし、パートナー様からすれば、DX Suite は数万とある商材の中の一つでしかありません。注力商材として認知してもらえなければ、パートナー様と一緒に目指す販売件数の目標も決められませんし、売上も見通せません。トップ営業で攻めていったり、勉強会や同席支援を通じて売りやすい商材だと理解してもらったりと、総合格闘技みたいなイメージで向き合っています。

AI inside のプロダクトを用いて、彼らのビジネスに対してどのように付加価値をつけていくか。ここはまさにストーリーとしての戦略が求められます。どの業界を狙いたいのか。どれくらいの顧客規模なのか。そういった要素でも話す内容がまるきり変わってきますね。

──どういった手順で、その攻め方を考えていきますか?

まずはパートナー様を知ることです。ウェブ上に公開されている情報もあれば、現場に入ってみてわかることもあります。中期経営計画からは「やりたいこと」が読み取れるはず。事業理解をした上でAI inside のサービスがいかに貢献できるのかを考え、3年先、5年先の未来から逆算したストーリーを設計して、提案をするようにしています。

もう一つ意識していることは、ストーリーを設計する僕が楽しむこと。自分が楽しんでそれを描けないと、聞いている相手も面白くないでしょうし、伝わっていかないと思うんです。
それを担当者は上長へ説明しなくてはなりませんから、人に伝わって頭に残りやすい意味でもストーリーは有効です。これは僕だけの考えではなく、AI inside の上司から教わったことでもあります。

リーダーとは「1+1の答えを3以上にできる人」

──2022年4月にはシニアマネージャーという立場になりました。辞令が出たとき、どのように感じましたか?

客観的に変わったのは、チームマネジメントです。僕はマネジメント経験があるわけではなかったですし、年上の方と組むことにもなりますから、その不安感はありました。ただ、リーダーに命じられることは会社からの期待を感じましたし、むしろ楽観的になりましたね。

僕がいるPartner’s Growth Unitは約12人が所属しており、3チームに分かれています。チームごとにリーダーがいて、僕はその一人という位置づけです。

──黒川さんなりに「リーダー」をどのように定義していますか?

「1+1の答えを3以上にできる人」でしょうか。今は僕を入れて3人のチームですが、これが「1+1+1=3」にしかなっていないとしたら、それは個人の力を合わせただけでしかないので、チームとしてはあまり機能していないはずなんです。「1+1+1」のパワーを4、5、6と引き上げていくのがリーダーに求められることなのだろうと思っています。

それから特に「Learning Center」関連の事業に関しては、未だ誰もやったことのないものなので、まさにカオスな状況です。そんなカオスを前にしても、進むべき方向を指し示すことがリーダーの役目だと思っていますし、それこそストーリーの出番ですね。

──そのストーリーは完成していますか?

まさに描いているところです。Partner’s Growth Unitが3チームに分かれているのも、攻めていく業界を分散させる狙いがあります。僕らのチームは通信業界と人材業界を主軸に担当していますが、さまざまな規模の企業がプレーヤーとしているなかで、パートナー様とどう付き合っていくのか。

パートナー様ごとに得意な領域は異なりますし、いまアライアンスが組めているパートナー様との連携を重視しつつも、そこだけを見ていては、今後の展開は描けないと考えています。「3年後にはこの会社とパートナーシップを結んでいなければならない」といった全体像を、チームでもディスカッションしているところです。

現場に落ちている情報を積極的に取っていきながら、それらのファクトをかけ合わせて方針をつくるイメージですね。まだ完璧にハマったって感じではないのですけれども、兆しは見えつつあります。

ワクワクが止まらない「AI inside で働くことの面白さ」

──AI inside に入社して約2年弱ほど経ちました。最初のワクワク感はまだありますか?

今でもなお面白い……というより、ますます面白くなっていますね。戦略を臨機応変に変化させる一方で、ビジョンとミッションにブレがなく、AIを「届ける」という一貫して変わらない価値があります。

課題先進国と日本は言われていますが、結局は我々だけでは課題は解決しきれない。個人や企業が課題を解決するための武器としてのAIだったり、そのAIを使うためのリテラシーを教育プログラムとして届けていくことに、AI inside としての存在意義があると思っています。おそらくこれは創業時から変わらないことで、それゆえに強さとなって、これからも変わらない価値になっていくのでしょう。

──学生時代から関心を抱いて、実際に働いてきた立場から、「AI inside で働くことの面白さ」を伝えるなら?

それこそ以前にCTOの為明(イミン)さんが言っていたように、「この世界にまだないものを作る」というミッションや、インフラチームを率いる三谷さんが話していた「Leapnet(リープネット)」の構想など、他社が手掛けていないことを次々に攻めていくところに、一般的な会社とはやはり違う面白さがあります。そういった“逆張り”的な面白さを見出せるのであれば、この会社はとても楽しく働けるのではないかと思います。

あとは、上場企業ではありますが、スタートアップとしての気質もあるため、僕のように早期から責任ある立場を任せてもらえる……それこそ「こんなことまで任せるの?」と思うこともあるのですが(笑)、それゆえに爆速成長できると感じています。

(文・写真/長谷川賢人)
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