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工場の生産性向上にノーコードAIを、 事例から見る「Learning Center」の活用法

近年、企業では生産性向上を実現するため、デジタルツールを導入されることが増えています。AI inside が提供する「Learning Center」の大きな特徴は、現場での課題を一番理解している担当者が、自分自身で簡単にAIを作成することができるため、現場の業務課題にマッチしたAIを導入できることです。

プログラミングのスキル・経験がなくても、現場の課題を解決できるAIを作ることが本当にできるのか。また、作ったAIを、どのようにして業務に組み込むのか。今回は「Learning Center」の協業パートナーである大日本印刷株式会社(DNP)のAI開発事例を用いてご紹介します。

「Learning Center」と「デザイン思考」

「Learning Center」とは、ノーコードで高精度なAI開発ができるサービスです。AIベンダーや開発者に依頼しなくても簡単な操作で、低コスト・短期間でAI開発ができます。自分自身で課題に沿ったAIを作成できるため、業界・業種を問わずご活用いただけます。

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しかしながら、 AIで何ができるのか、具体的にイメージをつけることが難しい方も少なくありません。AIで何を自動化・効率化したいのか、アイディアを出して実装までのプロセスを考える過程で活用できるのが「デザイン思考」です。

AIで工場内の滞留を把握し、改善へ

このデザイン思考を用いたワークショップを経て、DNPでは工場内にある滞留箇所の実態を把握する「工場内混雑分析AI」を作成しました。このAIを用いて、何がボトルネックとなり工場内で滞留が発生しているのか可視化し、モノ・ヒトの流れを最適化することを目的としています。

特にDNPの工場内では、エレベーターの待ち時間を課題に感じており「いつ・何が・どの程度待ち時間が発生しているか」を把握するべく、AI作成に取り掛かりました。

直感的な操作でラベリングするだけで、学習準備が完了

どのようなAIを作成するかが決まると、データ(画像)の収集を行い、AIに学習させるための学習用データを作る必要があります。学習用の画像を「Learning Center」にアップロードし、その画像に認識したいヒトやモノにラベルをつける作業「アノテーション」を行います。「Learning Center」は、直感的に操作ができるユーザインターフェイスとなっており、簡単な入力とクリックでラベルをつけていくことができます。

今回はエレベーター前に設置したカメラの動画から画像を抽出し、それぞれの画像に「Worker」「Handcart」「Palette」など、エレベーターの前を通るヒトやモノにラベルをつけていきました。

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画像提供:大日本印刷株式会社

「学習開始」ボタンをクリックするとAIが自動で学習

アノテーション作業が終わると、「学習開始」ボタンを押すだけで、当社のディープラーニングのネットワークを通じ自動的に学習が始まります。学習の進捗は「Learning Center」上で確認することができます。

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学習し終えたAIモデルの精度は「Learning Center」で分析でき、さらに、業務に必要な精度にまで向上させるため、画像を追加して再び学習させることもできます。自分自身で簡単にAIをアップデートできることも「Lerning Center」の魅力のひとつです。

DNPが作成した「工場内混雑分析AI」は、実際に現場の担当者の方が半日かけて500枚の画像にアノテーションを行い、約1日の学習時間を経て、90%以上の精度を出すことができました。

作成したAIを現場に組み込む

AI作成の後に利用を始める際には、「Learnig Center」上でAPIキーが提供されます。このAPIキーを用いることで、現場のシステムなどに組み込んでAI活用することができます。将来的にはAPIキーでの連携のほか、数クリックで既存のシステムと連携できるようになることを目指しています。

このようなプロセスで作成された「工場内混雑分析AI」を、DNP工場内のエレベーター前のカメラと連携させることによって、いつ・何が・どれぐらいの時間滞留しているのかをデータとして把握できるようになりました。このデータは、今後は工場内の導線改善に活用されます。

今までAIを導入するには、AIベンダーやシステム開発の部署など専門家への依頼が必要で、数千万円のコストや年単位の大型プロジェクトになることが少なくありませんでした。

「Learning Center」はアカウント発行から学習データ作成まで、無料で利用できます。学習データの作成後、学習(作る)と推論(使う)に対して、定額の利用料金が利用月のみそれぞれ発生します。学習は月額10万円、推論は月額3万円で利用でき、従来のAI開発から大幅なコストダウンにつながります。また、簡単なものであれば1〜2週間でAIを導入することができ、より手軽にAIを活用した業務改善ができるようになりました。

「Learning Center」が活用できるシーンは多種多様

今回は、DNPの工場における生産改善に用いられた事例をご紹介しました。現在の「Leaning Center」は、画像認識技術を利用した物体検知 AIを作成でき、「人が目で見て確認する」作業などを得意としています。

例えば、

・建物・車両の画像や動画から損害度合いを判定し、損害部分を検知するAI
・入出荷の検品作業時に、荷物の形状や個数を判別し自動検品してくれるAI
・疾病の状態をもとに、診断をサポートするAI

など、多種多様なAI活用方法があります。

また、今後は物体検知以外の自然言語・音声認識などのAIが作成できるような「Learning Center」のアップデートも視野に入れており、ますます活用の幅が広がっていきます。そして、AI inside では「Learning Center」で作られたAIをシェアできるようなマーケットプレイス構築の構想を描いています。

今後、業務改善を図る際には「Excelで効率化できるかも」と同じような感覚で、「もしかしたらAIで改善できるかも」と検討してみてはいかがでしょうか。それほど、AIはもう皆さんにとって身近な存在です。

「Learning Center」をより活用いただけるよう、製造業のユースケースをご紹介するウェビナーを6月22日(火)に開催します。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

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