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イギリス生まれのUI/UXデザイナーが移住した日本で気づいた「コラボレーションの本質」【MY CAREER STORY】

AI inside 公式note

「誰もが使える世界規模のAIプラットフォーム」を実現しようとするAI inside。“誰もが使える”を実現するためにも欠かせないUI/UXを担う、デザイナーのGraham Davies にインタビュー。

ユニットを超えたコラボレーションを生み、成果に繋げている姿は社員のロールモデルでもあります。イギリスで生まれて来日し、現在は石川と東京で2拠点生活を営みます。その働き方も、彼の仕事には大切なインスピレーションを与えているようです。

Graham Davies(グレアム・デイビス) VP of UXUI Design Unit
イギリス・ロンドン生まれ。東京・石川の2拠点生活を送るUI/UXデザイナー。デザインコンサル会社を経て、2020年5月 AI inside デザインチームの立ち上げ期に入社。主に「Learning Center」のプロダクト開発に関わる。プライベートでは、ロッククライミング・スノボなどでアクティブに過ごす傍ら、有機野菜作りやヤギを育てるなど、地域コミュニティとの繋がりも大切にしている。

ユーザーと作り上げる経験をしたかった

ー そもそも日本に興味を持って、来日されたきっかけは何でしたか?

興味は子どもの頃から。寿司と新幹線が好きだったんです(笑)。

私はイギリス生まれで、日本人の友達ができて文化などを知るうちに、日本は「いつか行ってみたい場所」になりました。ある時、東京大学で6週間のサマーインターンができる機会を見つけて、初めて来日しました。その6週間で日本が本当に好きになり、大学の先生からも「インターンではなく働いてみたら」と勧めてもらい、結局は1年間、滞在しました。

一度は修士課程を修めるためにイギリスへ帰国しましたが、大和日英基金の奨学金プログラムを使って、再来日しました。イギリスで1ヶ月の日本語講座を受けてから、日本で19ヶ月の日本語学習や職場研修、ホームステイをするという英国人向けの内容です。日本は「自分の性格に合う国」だと感じました。住みやすさ、食事、友達と、いろんな面で。

ー 今、仕事にしているUI/UXデザインについては、いつ頃から学びました?

大学では機械工学を専攻していて、そこでエンジニアリングやAIといった領域を学んでいました。それと並行して、通っていた大学がRCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)というデザイン系大学と提携していたので、相互履修の制度でデザインも学ぶようになりました。

デザインの良さを知るのはもちろん、ハイテクノロジーなものを実際にみんなに使ってもらうためには、デザインが必要なことがわかってきたんです。そこからより興味を持つことになったのが、デザインに関する仕事を始めたきっかけです。

東京で、デザインコンサルティングの企業に勤めていました。とてもクリエイティブに物事を考えられる環境は気に入っていましたが、「プロジェクトを提案して終わる」という関わり方が増えていたのもあって、もっと「ユーザと一緒に作っていくこと」に携わりたくなったんです。そのようなところにも、デザインの本質があると考えていましたから。

その時に見つけたのが、AI inside のデザインチーム立ち上げの話でした。CXOの保坂(浩紀)さんが入社して3ヶ月ほど経ち、本格的にデザインへ注力していくタイミング。私自身がもともとエンジニアでAIのコードも書いていたこともあって事業は魅力的で、テクノロジーとデザインに対する考え方もぴったりあっていて、入社を決めました。

でも、エンジニアやビジネスサイドのコミュニケーションはどうすべきか、工数管理はどう考えるか、ユーザヒアリングはどのように行うか……といった「実際にデザインを形にするためには何が必要なのか」について、私は経験がなかったのです。AI inside に入ってから、その一つひとつを学びながら得られているのも良かったですね。

「わからないから聞いてみる」というコミュニケーション

ー 現在の主な職務と、グレアムさんのチームが担っている役割を教えてください。

UX/UIデザインチームをリードしています。私たちチームの主な役割は「AI inside が作っているプロダクトのユーザ接点をデザインする」と言えるでしょう。とはいえ、“デザイン”と一言でまとめても、その中身はリサーチから始まって細かなUIデザインに至るまで、実際の作業にはいろんなスキルセットが必要です。

私も、それら全てのプロセスが得意なわけではありません。なので、UX/UIデザインチームのリーダーではあるけれども、私のほかに2人いるメンバーとも一緒にプロジェクトを作ることを推進する役割ですね。最も良いデザインを作るためには、チームの体制とコミュニケーションがとても大事だと考えています。

ー なるほど、他者と共同で進めることが前提なんですね。

そうです。デザインチームのみなさんの得意なところで、必要なことを仕事にしてもらうのです。

私自身は「アイデアの可視化」と「UXデザイン」が得意ですが、他のメンバーは「リサーチ」や「コラボレーション」に強みを持っていたり、「ビジュアライゼーション」や「アクセシビリティ」にこだわりがあったりと異なります。だから、私がボスやリーダーとして仕事をあれこれ指示するよりも、それぞれのスペシャリティを持ち寄るスタイルです。

AI inside のデザインチームのスタンスを象徴しているアクティビティとして、お互いのスキルをシェアし合うスキルシェア会を実施しています。スペシャリティを持ち寄るだけでなくシェアすることでコミュニケーション活性にも繋がっています。

他にも、ウェルカムランチ、定期的な懇親会、他チームとのオンラインランチなど、相互理解を深める機会を設けており、バックグラウンドが異なるメンバーが集まることで、良いコラボレーションが生まれています。

ー これまでの「記憶に残る仕事」から、ぜひ一つ教えてください。

1年ほど前のことですが、ノーコードAI開発・運用プラットフォームとして提供している「Learning Center(ラーニングセンター)」は、ビジョンやアイデアはあっても、実質的にゼロから作るようなところも結構あったんです。

どういった人に向けたプロダクトなのか、どういったユースケースがあるのか、といったことが「実際に作りながらお客さんを探し、さらに磨いていく」という方針でしたから、初期にはたいへんなことも多かったです。この半年くらいで、実際にユーザに使ってもらうことができ、想定していたユースケースなども見られて、実感を得たところですね。

いわゆるプロダクトドリブンで、立ち上げ時には主なUIやUXは私がすべて担っていましたが、今はチームメンバーも増えたので仕事の仕方も変わっています。社内のステークホルダーとも話し合いながら、「将来的なデザイン」と「直近で必要なデザイン」を分けることができ、デザインチームのメンバーで得意なところを分担できましたから。

ー コラボレーションやコミュニケーションを大切にしているグレアムさんが、それらをうまく進めるために気をつけていることは?

私は日本語がまだ今より得意ではない時は、気を使いすぎていて、他人とコミュニケーションがうまく図れないのは「自分の日本語レベルが足りていないから理解ができないのだ」と思っていました。でも、問題はそこではなかったんですね。

「どういう意味ですか?」「具体的に言うと?」など、日本語が完璧でないからこそ確認し始めるようにしてから、ずっとうまくいくようになりました。

つまり、私が言語の問題だと思っていたことは、実はコミュニケーションの問題だったわけですね。逆に、日本人同士なら失礼に思われそうなことでも、言語が得意ではない私から伺ってみるようなこともできる。要は、コミュニケーションに自信を持つことが大切です。言語よりも何よりも、それをベースに置くことで行動は変わりますね。

ー 日本人同士だと空気を読みがちで、それによるズレも起きるものです。十分にわからない可能性があるから確かめ合う必要がある、という大切さを、あらためて感じました。

「わからないから聞いてみる」というコミュニケーションは、リモートワークがメインになった現在では、特に大事です。

石川の暮らしは「何でもできる」が前提の頭になれる

コミュニティの仲間と畑で有機野菜を育てる

ー 東京と石川の2拠点生活をしていると聞きました。

私はAI inside に入社したときには、既にリモートワークへ移行していました。当時は街中で遊ぶのは難しくても、登山など屋外でのアクティビティは、それほど制限されてはいなくて。東京のアパートに引きこもるよりも良いかな、と思って、友達に誘われたことがきっかけで石川を訪れてみたんです。2日間ほど滞在するつもりが、好きになって2週間居ました。

ー 初めて来日したときと似ていますね!(笑)

暮らしているのは小松市滝ヶ原町という場所で、若者が集まるコミュニティもあって面白いですよ。それぞれがいろんなプロジェクトに取り組んでいて、私も手伝ったり。PCがあれば仕事はできますし、仲良しの友達もできました。それで、まず1年間は東京と石川で半分ずつ住んでみました。今は、東京のアパートは引き払って、石川をメインにしています。

ー 拠点を石川へ移してみて、仕事に対するポジティブな影響なども感じますか?

滝ヶ原町に住むと「何でもできる」と感じるんです。畑を耕してみたり、持ち寄りパーティを開いてみたり……住んでいる人たちがクリエイティブで、いろんなプロジェクトをされていますから、この空間にいると「やりたいこと」が本当に何でもできる気になってくる。

それが、AI inside の仕事にもつながっていると思います。「イメージが湧かない」ということに私は壁を感じなくて、「まずは作ってみましょう」とか「とりあえずコードを書いてみます」といったように考えられるんです。

ー はじめから頭に「できない」という選択肢を置かず、クリエイティブにトライしてみようという前提になるのは、確かにつながりを感じます。

滝ヶ原町という小規模なコミュニティに参加していることもインスピレーションになります。自分が「何でもできる」と思うだけでなく、「他の人はこんなことをしている」と見られるのも私自身の楽しみになります。都会にも友達がいて遊んではいましたけれど、この小さな村に住むからこそのコミュニティには、また別の強さを感じます。

仕事においても、そのコミュニティの大切さがつながるかもしれません。単なる同僚ではなくて、一緒にAI inside の事業に取り組む間柄として、そこで一つのコミュニティとして動きたいというのもあると思います。

テクノロジーとデザインは切り離せない

ー 今後、デザインチームとして「一緒に働きたい人」のイメージはありますか?

言葉にするのが難しいけれど……「体験を大事にする人」です。デザインチームとしての「理想的なユーザ体験」は目標にあっても、開発工数やビジネス要件で全てを実現はできません。そうであっても、いろんな人とコミュニケーションを取りながら、こだわりのあるデザインを作れる人は理想のメンバーだと思います。

「デザインの仕事」に含まれるさまざまなことを知っていて、自分の得意のところをプロジェクトに循環してもらえたらいいですね。その「得意」が今いるメンバーにないものなら嬉しいです。具体的には「フロントエンド」としての画面デザイン、「ユーザフォロー」や「カスタマージャーニーマップ」といったところでしょうか。

ー 「自分は何が得意か」をわかっている人の方が働きやすいともいえそうです。

そうですね!メンバーとしては「私はこれが得意なのでやらせてください」と言えるプロフェッショナルと一緒に仕事したい。むしろ、その人に「もっとこうしたほうがいいですよ!」と私が教えられたいくらいです(笑)。

私自身もイギリス出身でベースは石川ですから、国籍や地域を問わずに、参加してもらえたらさらに良いと思います。AI inside には「Work From Anywhere」という制度があり、出社しなければならない用事を除いてはリモートワークが許可され、交通費も月額上限15万円まで支給されます。それこそ海外からでも参加することは十分できます。アジア圏にいる方なんて、ぜひ加わってほしいところです。

そうやって異なる国や地域の人が集まり、デザインに対しての違う観点を交えることができれば、より強いチームになれると思います。

ー 最後に、今思っている目標や夢があれば、ぜひ聞かせてください。

機械工学やエンジニアリングを勉強している時、これほどテクノロジーが進化しているのに、日常的にそれらを感じられる機会が少なく思えるのは、なぜなのだろうと考えました。理由は技術の問題ではなく、「たくさんの人に使ってもらう」ということにボトルネックがあるからでした。

テクノロジーが単なる技術の進化で終わらずに、その技術をたくさんの人に使ってもらうためにはデザインが重要です。たとえば、それまでタッチスクリーンはあっても、iPhoneがそれを重視して世の中に出したことで、以降の携帯電話はタッチスクリーンが前提になりました。テスラはEVにスポーティな体験を持ち込んだことで、状況を変えていきましたよね。

こういった「いかにテクノロジーをたくさんの人に使ってもらうか」という観点におけるデザインの関係性に、私はもともと興味がありましたし、AIという領域においても変化を起こしていきたい。それはAI inside に入社してからの変わらない目標です。そこに私はパッションを感じます。

それがなければ、どれほど素晴らしいテクノロジーでも、全く世の中を変えませんからね。

最近は休日にロッククライミングに出かけることが多い

(文・写真/長谷川賢人)
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