見出し画像

業務課題を見つけAIで解決へ、 デザイン思考のAI作成ワークショップとは

企業・自治体におけるDX推進として、定型業務においてAIを取り入れた業務効率化が検討される機会も増えてきました。しかし「AIを使って業務を効率化したい」と思いながらも、AIで何ができるのか、どのように活かせるか、というイメージが湧かないまま、導入を見送ってしまうケースもあるのではないでしょうか。

AIをより上手く業務に活用するためには、まずAIによってできることを理解し、業務課題を整理する必要があります。

AI inside はAI活用の導入・運用の推進のため、ノーコードで高精度なAIモデルを開発できる「Learning Center」を用いたAI作成ワークショップ「Creators Program」を実施しています。今回はこのワークショップについて紹介します。

AI作成ワークショップ「Creators Program」とは

「Creators Program」とは、「Learning Center」を用いて、AI活用に向けたアイディアの探索・創出・具体化までの一連のプロセスをデザイン思考をベースに行うワークショップです。ワークショップは10〜15名の参加者を対象に、5人ほどのグループとなって実施します。

ワークショップでは、業務をよく知る担当者が起点となり、AI活用の仮説立案・検証のサイクルを行うことで、AI活用の課題感を払拭し、現場主導で導入・運用できる最適なAIを企画することができます。

画像1

ワークショップは大きく4つのセッション、①Discover(アイディア出し)②Define(絞り込み)③Develop(学習データ作成)④Deliver(学習と評価)に分けられます。1〜2ヶ月の間に、1日あたり1セッションで4日に分け、1セッションは2〜3時間程度で行います。

なぜデザイン思考なのか?

デザイン思考とは、デザインの際に使用する思考や整理の仕方・手法を活かして課題の解決策を見つけるための考え方です。

AIの活用方法を考えていく際、実際に利用するユーザを起点に改善点を明らかにすることが重要です。ユーザのインサイト(潜在的なニーズ)をもとに、ユーザにとって何が本質的な価値なのかを探り、アイディアに繋げていくデザイン思考は、AI活用の企画において非常に効果的なアプローチと言えます。

デザイン思考に基づいて解決策を見出すには、複数の視点や新しいアプローチが重要です。そのためにも、ワークショップは様々な立場のメンバーが集まりインプットとアウトプットを繰り返し、アイディア出しや情報整理を行うと、より効果的です。

ワークショップの流れ

「Learning Center」の協業パートナーである大日本印刷株式会社の皆様と行ったオンラインワークショップをもとに実際の流れをご紹介します。

ワークショップでは、自由にステッカーや図形、文字を配置できるオンラインホワイトボードツール「miro」を活用しました。まず初めに、AIについて理解を深めるためのレクチャーを行い、セッションを①〜④の順に進めます。

画像2

ワークショップで使用したmiroのイメージ

①Discover(アイディア出し)

業務における課題の洗い出し、その課題に対する解決策のアイディア出しを行います。

具体的には、現状の業務フローを書き出し、それぞれ関連性のある業務を線で繋ぎます。さらに、業務の中で感じている課題を洗い出していきます。さらに、洗い出した課題の整理のために、重複や似たような課題は一つのグループにまとめていきます。整理された課題に対し、AIを活用した解決策のアイディアを出していきます。それぞれの「こんなAIがあったらいいのではないか」という案をまとめていきます。

そのAI活用案を、業務の重要性とデータの集めやすさによって精査していきます。AIは学習のためにデータが必要になるため、どの程度のデータを集めることができるのか、という点も考慮しながら進めていきます。

②Define(絞り込み)

①で精査したAI活用案に必要な情報やデータタイプ、AIをどのように業務に組み込むかを検討しながら、同時に画像認識で何を検知すべきかを整理します。

①の段階で、複数のAI活用案が出ている場合は、同時にビジネスにおける重要度も整理します。優先順位や見込まれる効果などの観点から、実際にAIを活用する案を絞っていきます。

そうして、絞られたAI活用案を採用とし、作成に向けてAIに学習させるためのデータの収集を行います。「Learning Center」では、画像認識をコア技術としているため、必要な情報として、画像の種類やその画像の撮影方法、解像度など擦り合わせします。

③Develop(学習データ作成)

AIモデル作成のために集めたデータ(画像)を用いて、学習用データの作成を行います。

あらかじめ収集した画像を「Learning Center」にアップロードします。「Learning Center」上の学習用データ作成機能を利用すると、簡単な入力とクリックだけで、アップロードした画像にラベル付け(アノテーション)を行うことができます。

④Deliver(学習と評価)

「Learning Center」の学習・検証機能を利用して、AIモデルの学習を行います。

収集した全ての画像にラベル付けをした後、「学習開始」ボタンをクリックするだけで学習を開始することができます。学習が完了すると、パフォーマンスなどの検証結果が表示され、モデルの精度を評価することができます。

画像3

検証結果のイメージ

ワークショップを終えて、参加者のコメント

ワークショップの参加者からは、AIに対する理解が深められたことや、ワークショップを通じての課題解決に対して、さまざまなコメントをいただきました。

こういったワークショップははじめて。とても楽しかった。色々なメンバーとの議論が良い経験になった。実際にやってみて、AIの活用をどのように進めるかを具体的に考えられるようになった。
他部署のメンバーと現場の課題を議論することで視野が広がり、新しい発見があった。とても良い経験になった。
AIを0からつくるワークショップやデザインシンキングは初めて。使い方がなんとなくみえてきたので実際の業務に応用していきたい。

ワークショップの後は、AIのパフォーマンスの向上やシステムへの実装につなげていきます。ワークショップを通じて、デザイン思考で課題を明らかにすることや、課題の共有・整理を行うことで、AIを活用した業務効率化へとつながる手がかりを見つけることができます。課題を解決するアイディア出しDXに向けた取り組みとして、デザイン思考のワークショップを試してみてください。

ワークショップ「Creators Program」や、AI inside の「Learning Center」を使ったAI活用についてもっと知りたい方はぜひお問い合わせください。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!